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レジンアートの魅力は、なんといってもその透明感あふれる美しい仕上がりですよね。しかし、制作過程でどうしても発生してしまう「気泡」に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
気泡対策として有名なエンボスヒーターですが、「そのためだけに購入するのは…」とためらってしまいますよね。この記事では、レジンに発生した気泡をエンボスヒーター以外で解決する方法を網羅的に解説します。
「レジンにエンボスヒーターの代わりにドライヤーを使ってもいいですか?」という疑問から、つまようじやオープントースター、湯煎、スポイド、さらにはチャッカマンを使った代用テクニックまで、ご家庭にあるもので試せる方法を具体的にご紹介します。
また、レジン液を放置して気泡を浮かせるシンプルな方法や、そもそもレジンで気泡が入らないコツもお伝えします。「ヒートガンとエンボスヒーターの違いは?」といった、道具に関する深い知識も得られますので、ぜひ最後までご覧ください。
- エンボスヒーター以外の気泡除去方法
- 身近な道具を使った具体的な代用テクニック
- 各代用品のメリットと注意点
- 気泡を未然に防ぐための基本的なコツ
レジンの気泡をエンボスヒーター以外で消す方法
- レジンにドライヤーを使ってもいいですか?
- エンボスヒーターの代用になる湯煎のやり方
- チャッカマンをエンボスヒーターの代用に
- エンボスヒーター代用としてのオーブントースター
- エンボスヒーターの代用につまようじを使う
- スポイドをエンボスヒーターの代用にする
- レジン液を放置して気泡を浮かせる方法
レジンにドライヤーを使ってもいいですか?

はい、ドライヤーはエンボスヒーターの代用品として使用できます。温風を当てることでレジン液の粘度が下がり、内部の気泡が表面に浮き上がりやすくなるためです。
使い方のコツは、レジン液から20cm以上離した位置から、弱い温風を当てることです。一箇所に集中して当て続けるのではなく、ドライヤーをゆっくりと動かしながら全体を均一に温めるのがポイントになります。表面に浮き上がってきた気泡は、つまようじなどで丁寧に取り除きましょう。
ドライヤー使用時の注意点
ドライヤーは手軽な代用品ですが、いくつかの注意点があります。エンボスヒーターに比べて風量が強いため、レジン液が風圧で流れたり、型からこぼれたりする可能性があります。
また、室内のホコリを巻き上げてしまい、作品に混入するリスクも考えられます。温度も製品によっては100℃程度までしか上がらないため、効果が限定的な場合もあります。
まずは一番弱い風量で、遠くから試してみてください。風でレジンが波立ってしまう場合は、すぐに使用を中止しましょう。
湯煎でレジンの気泡をとる方法

レジン液のボトルごと湯煎で温める方法は、作業前に気泡を抜けやすくするための非常に効果的なテクニックです。レジン液は温まることで粘度が下がり、サラサラの状態になります。これにより、攪拌時や注入時に気泡が発生しにくくなるのです。
やり方はとても簡単です。容器に40℃程度のお湯を張り、そこにレジン液のボトルをキャップを固く閉めた状態で浸けます。5分から10分ほど温めれば、気泡が自然に抜けて扱いやすくなります。
湯煎のメリット
湯煎の大きなメリットは、気泡を抜けやすくするだけでなく、レジン液がサラサラになることでモールドの隅々まで行き渡りやすくなる点です。細かいデザインのモールドを使う際に特に有効で、作業効率が格段に向上します。
湯煎の温度に注意
温度が高すぎるとレジン液の化学反応が急激に進み、硬化不良や黄変の原因となることがあります。必ず40℃前後のぬるま湯を使用してください。また、ボトル内に水が入らないよう、キャップはしっかりと閉めて作業を行いましょう。
チャッカマンをエンボスヒーターの代用に

チャッカマンやライターの炎を使い、表面の気泡を瞬間的に消すという方法もあります。これは、炎の熱によって気泡の膜を破裂させる仕組みを利用したものです。特に、表面に浮かんできた小さな気泡に対してピンポイントで効果を発揮します。
使用する際は、炎を作品に近づけすぎず、表面をサッとあぶるように素早く動かすのがコツです。一箇所に長く当てるとレジンが焦げる原因になるため、注意深く作業を進める必要があります。
火気の取り扱いには最大限の注意を
この方法は最も危険性が高く、取り扱いには細心の注意が必要です。レジンが焦げたり、黄変したりするリスクが非常に高いです。また、近くに可燃物があると火災の原因にもなりかねません。換気を十分に行い、周囲の安全を確保した上で、自己責任で行ってください。初心者の方にはあまりおすすめできない方法です。
エンボスヒーター代用としてのオープントースター

オーブントースターを使い、作品全体を低温でじっくりと温めることで気泡を浮かせる方法もあります。熱を加えることでレジン液の粘度を下げ、内部の気泡を表面に移動させる原理はドライヤーや湯煎と同じです。
オーブントースターを使用する場合は、80℃から100℃程度の低温に設定し、数分間様子を見ながら加熱します。作品に直接熱が当たりすぎないよう、アルミホイルをかぶせるなどの工夫をすると良いでしょう。加熱後は非常に熱くなっているので、取り出す際には火傷に十分注意してください。
この方法は、レジンだけでなくキャンドル制作で表面を滑らかにする際にも応用されるテクニックです。均一に熱を加えられるのが利点と言えます。
温度管理と変形のリスク
オーブントースターは便利な反面、正確な温度管理が難しいというデメリットがあります。温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、モールドが変形したり、レジンが硬化不良を起こしたりする可能性があります。あくまで最終手段の一つとして考え、使用する際は作品から目を離さないようにしましょう。
つまようじで気泡を取り除く方法

つまようじや竹串で気泡を物理的に潰す方法は、最も手軽で基本的なテクニックです。モールドにレジン液を注いだ後、目立つ大きな気泡を一つずつ丁寧につついて消していきます。
作品の側面や隅にできた気泡も、つまようじの先端を使えばうまく取り除くことが可能です。気泡を潰すというよりは、気泡をすくい上げて外に出すようなイメージで行うと綺麗に仕上がります。
小さな気泡やささくれに注意
この方法のデメリットは、細かく無数に発生した気泡には対応しきれない点です。また、気泡を潰した際にさらに小さな気泡に分裂してしまうこともあります。
安価なつまようじの場合、先端のささくれがレジン液に混入してしまうリスクもあるため、品質の良いものを選ぶか、専用の調色スティックなどを使用するのがおすすめです。
スポイドを使って気泡を取り除く方法

大きめの気泡ができてしまった場合、スポイトを使って吸い取るという物理的な除去方法も有効です。気泡をつまようじで潰そうとすると分裂してしまうことがありますが、スポイトなら気泡ごとレジン液を吸い上げて確実に取り除けます。
この方法は、特に粘度の高いレジン液で作業している際にできてしまった、しぶとい気泡の除去に役立ちます。吸い取った部分には、新しいレジン液をゆっくりと補充しましょう。
化粧品や実験用の精密なスポイトが100円ショップなどで手に入ります。一つ持っておくと、気泡除去だけでなく、細かい部分への着色などにも使えて便利ですよ。
レジン液を放置して気泡を浮かせる方法

実は、何もしないで放置するだけでも、ある程度の気泡は自然に抜けていきます。レジン液をモールドに注いだ後、暖かい部屋で30分から1時間ほど置いておくと、内部の気泡がゆっくりと表面に浮き上がってきます。
この方法は、特に粘度が低いサラサラタイプのレジン液で効果を発揮します。室温が低いとレジン液の粘度が高くなり気泡が抜けにくくなるため、冬場はエアコンなどで部屋を暖かくしてから作業するのがおすすめです。
浮き上がってきた気泡は、最後につまようじなどで処理します。急いで硬化させずに少し待つだけで、仕上がりの透明度が格段に変わってきます。
レジン気泡をエンボスヒーター以外で対処する注意点
- ヒートガンとエンボスヒーターの違いとは?
- レジンでそもそも気泡が入らないコツは?
- レジン気泡はエンボスヒーター以外の工夫で解決
ヒートガンとエンボスヒーターの違いとは?

エンボスヒーターの代用品を探していると、「ヒートガン」という見た目が非常によく似た道具を目にすることがあります。形状から代用できるのでは?と思われがちですが、これらは全くの別物であり、レジンアートにヒートガンを使用することは絶対に避けるべきです。両者の特性を正しく理解し、大切な作品を台無しにしないよう、適切な道具を選びましょう。
見た目が似ているだけに、間違えて購入してしまうケースも少なくありません。この機会に、それぞれの役割と性能の違いをしっかり確認しておきましょう!
エンボスヒーター:繊細なクラフトのための「温風」
エンボスヒーターは、その名の通り、スタンプアートで使うエンボスパウダーを溶かして立体的に盛り上げるために開発されたクラフト専用ツールです。主な特徴は以下の通りです。
- 適度な温度:温度は約120℃~250℃と、レジンを焦がしたり急激に硬化させたりすることなく、気泡を温めて浮き上がらせるのに最適な設定です。
- 優しい風量:風量が非常に弱く設計されており、液状のレジンを吹き飛ばすことなく、ピンポイントで熱を届けることができます。
この「適度な温度」と「優しい風量」こそが、レジンアートの気泡除去にエンボスヒーターが最適とされる理由です。
ヒートガン:本格的なDIYのための「熱風」
一方、ヒートガンは工業用や本格的なDIY作業で使われるパワフルなツールです。日本語では「工業用ドライヤー」とも呼ばれ、その性能はエンボスヒーターとは比較になりません。
- 圧倒的な高温:温度は最低でも300℃、モデルによっては600℃を超える高温の熱風を吹き出します。これは塗装の剥離や塩ビ管の曲げ加工、凍結した水道管の解氷などに使われるレベルです。
- 強力な風量:高温の空気を効率よく対象物に当てるため、風量も非常に強く設定されています。
もし、このヒートガンをレジンアートに使用すれば、強力な熱風でレジン液は一瞬で吹き飛び、高温で黄変したり、発火したりする危険性さえあります。
性能比較一覧表
両者の違いをより明確にするために、以下の表にまとめました。
比較項目 | エンボスヒーター (クラフト用) | ヒートガン (工業・DIY用) |
---|---|---|
主な用途 | レジンアートの気泡除去、エンボス加工、キャンドル制作、ねんどの乾燥 | 塗装やシールの剥離、熱収縮チューブの加工、塩ビ管の曲げ加工、凍結解氷 |
温度範囲の目安 | 120℃ ~ 250℃ | 300℃ ~ 600℃以上 |
風量 | 弱く、穏やか | 強く、パワフル |
レジンへの影響 | ◎ 気泡を優しく除去できる | ✕ 吹き飛ぶ、焦げる、黄変する、発火の危険性あり |
結論:レジンアートには必ずエンボスヒーターを
前述の通り、レジンアートの気泡除去には、弱風で適切な温度の熱を送れるエンボスヒーターが唯一の正解です。ヒートガンは絶対に使用しないでください。
様々な代用品を紹介してきましたが、それらはあくまで一時的な手段です。本格的に、そして安全に作品作りを続けるのであれば、専用のエンボスヒーターを1台持っておくことを強くおすすめします。数千円程度の投資で、作品のクオリティと作業の安全性は格段に向上します。
レジンでそもそも気泡が入らないコツは?

美しいレジン作品の最大の敵、それは「気泡」です。できてしまった気泡を取り除くテクニックも重要ですが、プロの作家が最も重視するのは、そもそも気泡を発生させない「予防策」です。作業工程の各段階で少し意識を変えるだけで、気泡のリスクを劇的に減らすことができます。ここでは、作品のクオリティを根本から引き上げるための、気泡が入らないための具体的なコツを4つのステップに分けて詳しく解説します。
ステップ1:準備段階のコツ
① 気泡が抜けやすい低粘度のレジン液を選ぶ
レジン液には、水のようにサラサラな「低粘度タイプ」と、はちみつのようにトロリとした「高粘度タイプ」があります。気泡を最大限に防ぎたい場合、迷わず「低粘度タイプ」を選びましょう。粘度が低いと、攪拌時に空気を巻き込みにくく、もし気泡ができても自然に浮き上がって抜けやすいためです。 高粘度タイプは、ぷっくりとした盛り上げ(ドーミング)には適していますが、気泡が一度入ると抜けにくいため、モールドを使った作品には低粘度がおすすめです。
② 作業前にレジン液を温める
これはプロも実践する非常に効果的なテクニックです。作業を始める前に、レジン液のボトルごと40℃程度のぬるま湯に5〜10分浸けて温めておきましょう。レジン液は温まることで粘度がさらに下がり、驚くほど気泡が入りにくく、そして抜けやすくなります。冬場の作業では特に必須の工程と言えるでしょう。
温めすぎに注意
お湯の温度が高すぎると、レジン液の化学反応が早まり、可使時間(作業できる時間)が短くなったり、硬化不良の原因になったりします。必ず人肌より少し温かい程度のぬるま湯を使用してください。
ステップ2:攪拌・着色段階のコツ
③ 泡立てないように「切るように」混ぜる
2液性レジンを混ぜる際や、着色剤を混ぜる際は、空気を巻き込まないように静かに作業することが鉄則です。泡立て器のように激しく混ぜると、内部に無数の微細な気泡が発生し、取り除くのが非常に困難になります。
攪拌のポイント
- 調色スティックは容器の底につけたまま、ゆっくりと一定方向に動かす。
- 時々、容器の側面や底に付着したレジン液をそぎ落とすように混ぜる。
- 「泡を立てない」ことを最優先に、あくまで優しく混ぜ合わせる。
ステップ3:注入・封入段階のコツ
④ 低い位置から「糸のように」静かに注ぐ
レジン液をモールドに注ぐ際は、容器の注ぎ口をできるだけモールドに近づけ、低い位置から糸を垂らすようにゆっくりと流し入れます。高い位置から注ぐと、落下する勢いで空気を大量に巻き込んでしまいます。モールドの壁面に沿わせるように注ぐと、さらに気泡が入りにくくなります。
⑤ 封入パーツは下処理を徹底する
ドライフラワーやウッドパーツ、布などの多孔質な素材は、内部に多くの空気を含んでいます。これらをそのままレジンに沈めると、内部の空気がじわじわと放出され、気泡が延々と発生する原因となります。
これを防ぐため、封入する前に必ずパーツ自体をレジン液や専用のシーラントで薄くコーティングし、一度硬化させるという下処理を行いましょう。この一手間が、後々の気泡トラブルを劇的に減らします。
特にドライフラワーは気泡の最大の原因になりがちです。事前にコーティングしておくことで、作品の透明感が全く変わってきますよ!
ステップ4:硬化前の最終チェック
⑥ 硬化前に数分間放置する
UVライトを当てる前、あるいは2液性レジンが硬化し始める前に、ホコリが入らない場所で5〜10分ほど静かに放置します。この時間で、内部に残っていた微細な気泡が自然に浮き上がってきます。最後に、表面に浮いてきた気泡をつまようじで丁寧に取り除けば、完璧な状態に近づけることができます。
レジン液の気泡はエンボスヒーターを使う以外のやり方でも解決できる

この記事では、エンボスヒーターがなくてもレジンの気泡に対処するための様々な方法をご紹介しました。
とはいえエンボスヒーターがあった方が早い場合が多く、エンボスヒーターとつまようじを組み合わせ残った気泡を除去するなどすればより効率的に作業を進めることができます。
最後に、本記事の要点をリスト形式でまとめます。
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