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まるで本物の海を切り取ったかのような、息をのむほど美しいレジンアート。特にレジンで海と砂を組み合わせた「オーシャンアート」や「波アート」と呼ばれる作品は、その透明感とリアルさで非常に人気が高く、「自分でも作ってみたい」と考える方が増えています。しかし、いざUVレジンで海の作り方を調べてみると、リアルなレジン波の作り方が複雑に見えたり、そもそもレジンの砂が固まらないという予期せぬトラブルに見舞われたりと、多くの疑問や課題に突き当たるかもしれません。この記事では、レジンで海と砂浜の作り方に関する基本の「き」から、レジンに砂を入れるにはどうすれば良いか、美しいレジン海の色付けのコツ、プロのようなリアルさを追求するためのレジンを海で層にする方法まで、初心者の方がつまずきやすいポイントを一つひとつ丁寧に、そして徹底的に解説します。さらに、失敗が少ないレジンサンドの効果的な使い方や、レジンの砂浜に貝殻を封入する魅力的なアレンジ、完成した作品を世界に一つだけのレジン海のキーホルダーに加工する方法まで、100均で手に入るアイテムを賢く活用しながら、あなたの作品作りを全面的にサポートします。
- 100均アイテムだけでできる海のレジンアートの始め方
- 初心者がつまずく「レジンの砂が固まらない」問題の解決策
- エンボスヒーターを使ったリアルな波模様を表現するコツ
- 作品に奥行きを与えるためにレジンを層にするテクニック
レジンで海と砂を作るための基本ガイド
- UVレジンで海を作る100均の材料
- 基本的なレジン海と砂浜の作り方
- レジンの砂が固まらない原因と対策
- レジンに砂を入れるにはどうする?
- 失敗しないレジンサンドの使い方
- 美しいレジン海の色付けテクニック
UVレジンで海を作る100均の材料

レジンで美しい海と砂浜のアートを作る感動的な体験は、適切な材料と道具を揃えることから始まります。驚くべきことに、近年では主要な100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)でも高品質なレジン関連用品が大変充実しており、プロが使うような高価な道具がなくても、初心者の方が気軽にアート制作をスタートできる環境が整っています。まずは、これだけは揃えたい基本のアイテムから見ていきましょう。
「具体的に何を、どこで揃えたらいいの?」という疑問をお持ちの方もご安心ください。まずは最低限必要なもの、そして、あると作品のクオリティが格段にレベルアップするものを、選び方のポイントも交えて詳しくご紹介しますね。
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必ず用意したい基本の材料と道具
これらがなければ始まらない、という必須アイテムです。特に、海のグラデーションを作るための「青色」の着色剤と、波模様の生命線である「白色」の着色剤は、絶対に欠かすことのできない重要な要素です。
アイテム名 | 選び方のポイントとワンポイント解説 |
---|---|
UV-LEDレジン液 | 100均でも様々な粘度(テクスチャ)のものが販売されています。海のアートでは、色が混ざりやすい中粘度〜低粘度タイプがおすすめです。硬化後の黄変が少ない品質の良いものを選びましょう。 |
着色剤(青・白) | 液体タイプがレジン液と混ざりやすく、透明感を出しやすいので初心者におすすめです。海の青と波の白を作るために必須。「エメラルドグリーン」や「シアン」もあると、沖縄の海のような色の幅が広がります。 |
砂 | 最も失敗が少なくおすすめなのが、手芸用に加工された「レジンサンド」です。本物の砂を使う場合は、硬化不良を防ぐための下処理が必須となり、注意が必要です。 |
シリコンモールドやミール皿 | 作りたいアクセサリーやアートの形に合わせて選びます。キーホルダーなら円形や四角形、コースターなら大きめの丸形が人気です。最初はシンプルな形のものが扱いやすいでしょう。 |
UV-LEDライト | レジンを短時間で確実に硬化させるために必要不可欠です。ハンディタイプもありますが、据え置き型で36W程度のパワーがあると、厚みのある作品でもしっかりと硬化させることができ安心です。 |
調色スティック・パレット | レジン液と着色剤を混ぜる際に使用します。専用品でなくても、つまようじやシリコン製のカップ、クリアファイルなどをカットして代用も可能です。 |
あると表現の幅が広がる便利アイテム
よりリアルな表現を目指したり、作業全体の効率を上げたりするためには、以下の道具が非常に役立ちます。特にエンボスヒーターは、プロのようなリアルな波模様を作り出すための最重要アイテムと言っても過言ではありません。ドライヤーでも代用は可能ですが、風量が強すぎてレジンが飛び散ったり、模様が綺麗に出なかったりすることが多いため、本格的に取り組むならぜひ手に入れたい道具です。
エンボスヒーターとは?
本来はスタンプを立体的に盛り上げる「エンボス加工」に使われる道具で、ドライヤーよりも弱い風で高温の熱をピンポイントに当てることができます。この特性が、レジンの粘度を下げて波模様を作るのに最適なのです。
- エンボスヒーター:レジンに穏やかな温風を当てて、繊細な波模様を作り出します。レジン液の粘度を下げて気泡を表面に浮かび上がらせ、消す際にも大活躍します。
- ピンセット:貝殻やガラス片といった細かいパーツを正確に配置する際に便利です。先端が細く、カーブしているタイプがおすすめです。
- 貝殻やガラス片:砂浜をデコレーションするためのパーツです。作品のサイズ感を考え、バランスが取りやすいよう、なるべく小さいものを選ぶのがポイントです。
- マスキングテープ:フレームタイプのミール皿(空枠)を使う際に、底面からの液漏れを防ぐために使用します。
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基本的なレジン海と砂浜の作り方

道具が揃ったら、いよいよ作品制作の開始です。まずは作品の土台であり、全体の雰囲気を決定づける「砂浜」部分を作成していきます。この最初の工程をいかに丁寧に行うかが、作品全体のクオリティを左右する非常に重要なポイントになります。
手順自体は非常にシンプルなので、焦らず一つずつ進めていきましょう。まず、使用するシリコンモールドやミール皿のうち、砂浜としてデザインしたい部分に、透明のレジン液を薄く均一に塗り広げます。このとき、レジン液が多すぎると砂が沈み込んでしまうため、あくまで「接着剤」の役割として、筆やスティックで薄くコーティングするようなイメージで行うのがコツです。
次に、レジン液を塗った上に、用意した砂をまぶすようにして敷き詰めていきます。一箇所に砂が固まってしまわないように、ピンセットやつまようじの先を使い、砂の形や量を細かく整え、自然な海岸線を描いていきましょう。
ポイント:砂を敷き詰める前にレジン液を塗る!
一部では、あらかじめレジン液と砂を混ぜてから配置する方法も紹介されていますが、初心者の方には先にレジン液を薄く塗っておく方法を強く推奨します。この手順を踏むことで、砂がモールドにしっかりと固定され、後の工程で海部分のレジンを流し込んだ際に、砂が意図せず動いてしまうのを確実に防げます。
砂の配置が理想通りに決まったら、一度UV-LEDライトを30秒から60秒程度照射して硬化させます。ライトのワット数やレジン液の厚みによって硬化時間は変わりますが、表面を触ってみてベタつきがなければOKです。ここで砂浜部分を完全に硬化させておくことが、次の海部分との境界線をくっきりと美しく見せるための秘訣です。
レジンの砂が固まらない原因と対策

レジンで海の表現に挑戦した多くの方が一度は直面するのが、「砂と混ぜた部分だけ、いつまで経ってもレジンが固まらない…」という深刻なトラブルです。これは非常によくある失敗例であり、多くの人がここで挫折を感じてしまいますが、その原因は非常にシンプルで、正しく知れば簡単に対策することが可能です。
レジンが砂と混ざった際に硬化不良を起こす最大の原因、それは砂に本来含まれている目に見えない「水分」と、有機物などの「不純物」です。UVレジンは、紫外線(UV光)が「光重合開始剤」という成分に当たることで化学反応が起こり、液体から固体へと硬化します。しかし、レジン液の中に余分な水分や油分、ゴミなどが混入していると、この化学反応が阻害され、硬化不良を引き起こしてしまうのです。
【要注意】本物の砂や装飾パーツの取り扱い
海岸で拾ってきた砂や園芸用の砂、ドライフラワーなど、自然由来の素材には目に見えない水分や有機物が含まれていることが多く、これらをそのまま使うと、ほぼ確実に硬化不良の原因となります。また、UVレジンは化学物質であり、体質によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。作業中は必ず換気を行い、手袋を着用するなど、安全な取り扱いを心がけてください。(参考:情報源: 厚生労働省 – 2023年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告 (PDF)P8~9)
対策①:砂を徹底的に洗浄・乾燥させる
もし、思い出の海岸で拾ってきた砂など、本物の砂を使用して作品を作りたいのであれば、丁寧な下処理が不可欠です。まず、砂を目の細かいザルやストッキングなどに入れ、ゴミや汚れが完全になくなるまで、流水で念入りに洗浄します。その後、新聞紙やキッチンペーパーなどの上に砂を広げ、天気の良い日に数日間かけて、内部まで完全に乾燥させましょう。より確実に水分を飛ばすために、フライパンを使い、焦がさないように弱火で軽く煎る「焙煎」という方法も非常に有効です。少しでも湿り気が残っていると失敗に繋がるため、触ってみてサラサラの状態になるまで、徹底的に乾燥させることが何よりも重要です。
対策②:レジン専用サンドを利用する
最も確実で、かつ簡単な解決策は、手芸店や100円ショップで販売されている「レジンサンド」や「カラーサンド」を積極的に使用することです。これらの砂は、レジンアート用に特別に洗浄・乾燥処理が施され、着色されているため、面倒な下処理の手間が一切かかりません。これにより、硬化不良のリスクを大幅に減らすことができるため、特に初心者の方や、確実に美しい作品を完成させたい方は、まず市販のレジンサンドから試してみることを強くおすすめします。
レジンに砂を入れるにはどうする?

レジン作品に砂を取り入れる方法は、作業工程の違いで主に2つのアプローチがあります。どちらの方法にも一長一短があるため、ご自身が作りたいデザインの方向性や、作業のしやすさに合わせて最適な方法を選ぶのが良いでしょう。ここでは、それぞれの方法を比較しながら詳しく解説します。
どちらが正解というわけではありません。両方の特徴を知って、作品のイメージに合わせて使い分けるのが上達への近道ですよ!
方法①:レジン液を塗った上に砂をまぶす(後乗せ式)
これは、この記事の「基本的なレジン海と砂浜の作り方」で紹介した、最もオーソドックスな方法です。モールドに薄くレジン液を塗り、その上から砂を振りかけて定着させます。この方法の最大のメリットは、砂の位置や量を後からでも細かく調整しやすい点にあります。砂浜の海岸線を滑らかなカーブにしたり、砂の密度に濃淡をつけて自然な風合いを出したりといった、繊細な表現が非常にしやすくなります。
方法②:レジン液と砂をあらかじめ混ぜる(先混ぜ式)
もう一つの方法は、調色パレットなどの上でレジン液と砂をあらかじめしっかりと混ぜ合わせ、ペースト状になったものをモールドに配置していく方法です。このやり方の利点は、砂の一粒一粒がレジン液で事前にコーティングされるため、砂の層に気泡が入りにくいことです。また、砂の層にしっかりと厚みや高さを出したい場合にも適しています。ただし、一度混ぜてしまうと砂の微調整は難しくなるため、大まかな配置や、均一な砂浜を作りたい場合に向いていると言えるでしょう。
【比較まとめ】2つの砂の入れ方
方法① 後乗せ式 | 方法② 先混ぜ式 | |
---|---|---|
メリット | ・海岸線など繊細なデザインが可能 ・砂の量の微調整がしやすい | ・気泡が入りにくい ・砂の層に厚みを出しやすい |
デメリット | ・砂とレジンの間に隙間ができることがある | ・細かいデザインの調整が難しい ・レジン液の消費量が多くなる |
おすすめの作品 | リアルな海岸線を表現したい作品 | シンプルなデザインや厚みのある砂浜 |
失敗しないレジンサンドの使い方

レジンサンドは、レジンアート、特に海の表現に挑戦する初心者にとって、失敗のリスクを大幅に減らしてくれる非常に心強い味方です。硬化不良の心配がほとんどないだけでなく、色や粒の大きさが均一で品質が安定しているため、非常に扱いやすいのが最大の特徴です。その使い方に特別な技術は必要ありませんが、いくつかのポイントを押さえることで、作品のクオリティをさらに一段階引き上げることが可能です。
基本的な使い方は、これまで紹介してきた本物の砂と同様に、レジン液を塗った上に振りかけるか、レジン液と混ぜてから配置します。レジンサンドの最大のメリットは、面倒な洗浄や乾燥といった下準備が一切不要で、購入後すぐに制作に取り掛かれるその手軽さにあります。
最近のレジンサンドは、単なる砂色のものだけでなく、カラーバリエーションが非常に豊富です。定番の白砂だけでなく、サンゴのようなピンクや、カリブ海を思わせるブルーのカラーサンドを混ぜて、少しファンタジーな雰囲気の砂浜をデザインするのも、オリジナリティが出てとても楽しいですよ。
また、よりリアルな質感を追求するのであれば、粒の大きさが異なる数種類のレジンサンドをブレンドして使うのが非常におすすめのテクニックです。例えば、ベースとして作品全体に非常に細かいパウダー状のサンドを敷き、その上にアクセントとして少しだけ粗い粒のサンドをまぶすと、単一の砂では出せない、自然な砂浜の奥行きと風合いが生まれます。定番のアレンジですが、「星の砂」を少量だけ混ぜ込むのも、作品に可愛らしいアクセントを加えてくれる人気の高い方法です。
美しいレジン海の色付けテクニック

砂浜部分が無事に完成したら、次はいよいよ作品の主役である「海」の部分を作成していきます。海の表現において最も重要なのは、なんといってもその美しい色のグラデーションです。浅瀬の透き通るような水色から、沖へと向かうにつれて深くなる濃い青への色の変化をいかに自然に表現できるかが、作品の完成度を大きく左右する鍵となります。
まずは、色を作るための準備として、調色パレットを最低2つ用意しましょう。一つにはレジン液と青色の着色剤を入れて、吸い込まれるような「濃い青(ディープブルー)」を作ります。もう一つには、レジン液に青(またはエメラルドグリーン)の着色剤をほんの数滴と、白の着色剤を爪楊枝の先に少しだけ付けて加え、透明感のある「薄い水色(アクアブルー)」を作ります。この濃淡2色の青を作ることが、美しいグラデーションの基本となります。
色作りのコツ
着色剤は非常に発色が良いため、一滴ずつ慎重に加え、その都度よく混ぜて色の濃さを確認しましょう。特に薄い水色は、透明感を残すことが重要なので、「少し色が薄いかな?」と感じるくらいで止めておくのがポイントです。
色が準備できたら、硬化した砂浜の隣、つまり沖側になる部分に、まず「濃い青」のレジン液を流し込みます。次に、砂浜との境界線に沿うように「薄い水色」のレジン液をそっと流し込みましょう。そしてここからが最も重要な工程です。2色の境界部分を、つまようじの先端で優しくトントンと、ごく軽い力で叩くようにして馴染ませます。こうすることで、2色の境目が自然にぼやけて混ざり合い、美しいグラデーションが生まれます。
グラデーションを成功させる秘訣
色を混ぜすぎないことが何よりも大切です。つまようじで境界線を数回軽く叩くだけで、レジン液の性質によって自然に色が混ざり合っていきます。焦って混ぜすぎると、全体がのっぺりとした同じ色になってしまうので十分に注意してください。
理想のグラデーションが完成したら、エンボスヒーターの弱風をさっと当てて表面の細かい気泡を取り除き、その後、UV-LEDライトで完全に硬化させます。
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レジンで海と砂をリアルに仕上げる応用テクニック
- レジンを海で層にする方法とコツ
- リアル感を出すレジンの波の作り方
- レジンの砂浜に貝殻を封入する方法
- レジン海のキーホルダーの作り方
- レジンで海と砂のアートを楽しもう
レジンを海で層にする方法とコツ

一度にすべてのレジンを流し込んで作るのではなく、複数回に分けて薄い層を硬化させながら重ねていく「積層」という技法を用いることで、作品に驚くほどの奥行きと、本物のような立体感が生まれます。工程が増えるため手間はかかりますが、よりリアルでハイクオリティな海を表現したい方には、ぜひ挑戦していただきたい上級テクニックです。
例えば、以下にご紹介するような手順で層を重ねていくことで、平面的ではない、深みのある海景を表現することができます。
【作例】4層で作るリアルな海
- 第1層:砂浜の作成
まずは基本通り、砂浜部分をデザインし、しっかりと硬化させます。これがすべての土台となります。 - 第2層:濡れた砂浜の表現
硬化した砂浜の上にも少しだけかかるように、ごくごく薄く透明のレジン液を塗り広げて硬化させます。このひと手間が、波が打ち寄せた直後の濡れた砂浜のしっとりとした質感をリアルに表現します。 - 第3層:浅瀬の表現
砂浜の境界線から少し沖側にかけて、先ほど作った「薄い水色」のレジン液を薄く流し込んで硬化させます。これにより、遠浅の海の透明感を出すことができます。 - 第4層:沖の表現
最後に、作品の一番奥、最も深い部分に「濃い青」のレジン液を流し込み、硬化させて完成です。下の層が透けて見えることで、自然な海の深みが生まれます。
このように、透明度や色の異なる層を丁寧に重ねることが、レジン内部で光の複雑な屈折を生み出し、本物の海が持つ独特の深みと透明感を表現する最大のコツです。各層を焦らずにしっかりと完全硬化させてから次の層に進むことが、濁りのない綺麗な層を作るための最も重要なポイントになります。
リアル感を出すレジンの波の作り方

海のレジンアート制作におけるクライマックスであり、多くの人が最も挑戦したいと憧れるのが、海岸に打ち寄せる白波のリアルな表現です。この繊細で美しいテクニックには、エンボスヒーター(またはヒートガン)が必須のアイテムとなります。前述の通り、ドライヤーの温風でも代用は不可能ではありませんが、風が強すぎてレジンが意図しない方向に流れたり、模様が綺麗に出る前に大きく崩れてしまったりすることが多いため、専用のヒーターを用意するのが成功への一番の近道です。
波模様の作成手順:3ステップで完成
まず、硬化した海(青色のグラデーション部分)の上に、下地として透明のレジン液をごく薄く、均一に塗り広げます。この層は、これから作る波模様がスムーズに広がるための潤滑剤のような役割を果たします。非常に重要なポイントは、この下地の層はまだ硬化させないということです。
次に、波を発生させたい場所、主に砂浜と海の境界線に沿って、白色に着色したレジン液を線状に置いていきます。この時使う白レジンは、透明感をなくすためにしっかりと着色するのがコツです。つまようじの先に少量ずつ取り、途切れ途切れの線や、太い線と細い線を組み合わせるように配置すると、より自然でランダムな波に見せることができます。
そして、いよいよエンボスヒーターの登場です。配置した白色のレジンに向かって、少し離れた位置(10cm程度)から優しく温風を当てます。すると、熱によってレジンの粘度が一時的に下がり、白いレジンが周囲の透明レジンと混ざり合いながら独特に広がって、「セル」と呼ばれる細胞分裂のような美しい波模様が魔法のように生まれます。
ヒーターを巧みに操るコツ
ヒーターを作品に近づけすぎたり、同じ場所に長く熱を当てすぎたりすると、レジンが沸騰して気泡だらけになったり、最悪の場合は焦げて黄変したりする原因になります。ヒーター本体を常にゆっくりと動かしながら、風を当てる角度や時間を微調整し、自分が「これだ!」と思う理想の模様ができた瞬間に、間髪入れずにUV-LEDライトを照射して、その形を永遠に閉じ込めるのが成功の秘訣です。
この波模様を作る技術は、正直に言って少し練習が必要です。しかし、一度マスターすれば波の形や大きさを自分の意図通りにコントロールできるようになり、作品のクオリティと表現の幅が飛躍的に向上します。
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レジンの砂浜に貝殻を封入する方法

作品にさらなる物語性やオリジナリティを加えるために、砂浜に小さな貝殻やシーグラス(ガラス片)、星の砂といったパーツを配置するのは、非常に効果的で楽しいアレンジです。これらの立体的なパーツを封入する際は、作品の透明感を損なう原因となる「気泡」をいかにして入れないかが、綺麗に仕上げるための最大のポイントになります。
パーツを配置する最適なタイミングは、最初の砂浜を作る工程と同時に行うのが最も効率的です。砂をまぶす際に、あらかじめデザインを決めておいた場所に、一緒に貝殻などをピンセットでそっと置いていきます。
ここで、プロも実践する重要な「ひと手間」をご紹介します。それは、配置する直前に、封入したいパーツを一度、別の場所に出しておいた透明のレジン液に全体が浸るようにディップしておくことです。こうすることで、貝殻の細かい凹凸や、パーツの内部に入り込んでいた空気が事前に抜け、表面全体がレジンで薄くコーティングされます。この状態でピンセットを使って拾い上げ、目的の場所に配置することで、硬化後の気泡の発生を劇的に防ぐことができます。
パーツを置いたら、その上から再度スポイトなどでごく少量のレジン液をかけてから硬化させると、パーツがより強固に固定されるだけでなく、パーツ自体にも濡れたようなツヤが出て、一層美しく見えますよ。
封入パーツの注意点
レジンに封入するパーツは、必ず完全に乾燥しているものを選んでください。水分を含んだものを封入すると、時間経過と共に中身が劣化したり、レジンが白く濁ったりする原因になります。
レジン海のキーホルダーの作り方

丹精込めて作り上げた美しい海のレジンアートが完成したら、それをアクセサリーとして加工し、日常的に持ち歩けるキーホルダーにしてみましょう。専門的な作業に聞こえるかもしれませんが、いくつかの専用工具を使えば、想像以上に簡単に行うことができます。
まず、完成して完全に硬化したレジンパーツに、金具を取り付けるための下穴を開けます。この繊細な作業には「ピンバイス」という手動式の小型ドリルを使用するのが最適です。取り付けたい金具(ヒートン)のネジ部分の太さに合ったドリル刃(通常は1mm〜1.5mm程度)を選び、パーツの上部や角など、デザインのバランスが良い位置に垂直に穴を開けていきましょう。電動ドリルと違い、手動なのでゆっくりと自分のペースで作業できるのが利点です。
次に、開けた穴に「ヒートン」と呼ばれるネジ式の吊り下げ金具をねじ込んでいきます。このとき、穴の内部に爪楊枝などで少量の接着剤やレジン液を少量流し込んでからねじ込むと、強度が格段に増して、使用中に金具が抜けてしまうのを防げます。ヒートンが奥までしっかりと固定できたら、その輪の部分に「丸カン」というC字型をした金属リングを、ヤットコ(先の細いペンチ)を使って開いて通します。最後に、その丸カンにお好みのキーホルダー金具を取り付け、再びヤットコで丸カンの隙間をぴったりと閉じれば、世界に一つだけのオリジナルキーホルダーの完成です。
作品を販売する際の注意点
もし、ご自身が作成したハンドメイド作品をフリマアプリなどで販売することを考えている場合は、その製品の安全性に対する責任が生じます。万が一、製品の欠陥によって購入者が損害を被った場合、製造物責任(PL)法に基づき、作り手が賠償責任を問われる可能性があります。アクセサリーを製作する際は、パーツが簡単に外れないか、鋭利な部分がないかなど、使用者の安全に十分配慮することが大切です。(参考:製造物責任法の概要)
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レジンで海と砂のアートを楽しもう

この記事では、レジンでリアルな海と砂浜を作るための具体的なテクニックを、基本となる道具選びから、多くの人がつまずくポイントの解決策、そしてプロのような表現を可能にする応用技法まで、多角的に詳しく解説してきました。最後に、美しい作品を完成させるための重要なポイントを、改めてリスト形式で振り返ってみましょう。
最初は少し難しく感じる工程もあるかもしれませんが、一つひとつの作業を焦らず丁寧に行うことで、必ず上達していきます。この記事で紹介したテクニックは、あくまで基本の一例です。色や層の重ね方、パーツの配置を変えるだけで、表現の可能性は無限に広がります。ぜひ、この記事をあなたの創作活動の参考に、世界に一つだけの美しいレジンオーシャンアートを創り出してみてください。
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