【完全版】レジンクリーナーの使い方|代用品から掃除まで

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レジン作品の制作時に欠かせない後片付けやトラブル対応。特に、美しい作品が完成した後の、硬化前のレジン液が残った道具の扱いは悩みの種ですよね。この記事では、レジン制作を始めたばかりの方から経験者まで、誰もが知っておくべきレジンクリーナーの正しい使い方を徹底的に解説します。基本的な筆の使い方やモールドの手入れはもちろん、万が一クリーナーを切らしてしまった際のレジンクリーナーの代用として注目される無水エタノールとの違いまで、あらゆる疑問に具体的にお答えします。さらに、作業中にレジンクリーナーをこぼした際の対処法や、レジンが手についた時の医学的観点からも安全な汚れの落とし方、そして多くの人が疑問に思う固まったレジンへの効果についても深掘りします。人気のダイソーのレジンクリーナーの実際の評価や、混同しがちなうすめ液との化学的な違いも網羅し、あなたのレジン制作をより安全で快適にするための情報を凝縮しました。

この記事のポイント!
  • レジンクリーナーの基本的な使い方と道具を長持ちさせる手入れ方法
  • 手や床にレジン液が付着した際の化学的根拠に基づいた正しい対処法と注意点
  • 無水エタノールなど代用品との性能・コスト・安全性の詳細な比較
  • 固まったレジンへの効果の限界や、うすめ液との役割の根本的な違い

基本から学ぶレジンクリーナーの使い方

  • レジンクリーナーの筆の使い方と洗浄法
  • レジンクリーナーを使ったモールドの手入れ
  • レジンクリーナーとうすめ液の決定的な違い
  • レジンクリーナーがない時の代用アイテム
  • 代用品の無水エタノールとの違いは?

レジンクリーナーの筆の使い方と洗浄法

レジンクリーナーの筆の使い方と洗浄法 イメージ

レジンクリーナーの最も基本的かつ重要な用途は、UVレジン液が付着した道具の洗浄です。特に、繊細な着色に使用する筆や、攪拌に使う調色スティックは、使用後に適切な手入れを怠るとレジン液が内部で硬化し、弾力を失い二度と使えなくなってしまいます。大切な道具を可能な限り長く、最高の状態で使い続けるため、以下の正しい洗浄手順を習慣づけましょう。

洗浄の具体的なステップ

洗浄作業は、一見手間に見えるかもしれませんが、慣れると数分で完了します。以下の3つのステップを丁寧に行うことが、道具を保護する上で非常に重要です。

1. 物理的にレジン液を徹底的に拭き取る
まず、筆やスティックに付着したネバネバのレジン液を、キッチンペーパーやけばだちの少ないティッシュ(プロ用のキムワイプなどがあれば最適)で、根本から毛先に向かって優しく、しかし徹底的に拭き取ります。この最初の工程を丁寧に行うことで、後続の洗浄工程で使用するクリーナーの量を大幅に節約でき、結果的に洗浄時間も短縮されます。

2. クリーナーで振り洗いし、汚れを溶かし出す
次に、溶剤に耐えられるガラス製の小瓶や陶器の小皿などにレジンクリーナーを少量注ぎます。その中で筆やスティックを優しく振り洗いし、内部に残ったレジン液を溶かし出します。このとき、絶対に容器の底に筆を強く押し付けないでください。毛先が折れたり、変な癖がついたりする最大の原因となります。汚れがひどい場合は、一度汚れたクリーナーを捨て、新しいクリーナーで二度洗いすると完璧です。

3. 仕上げの拭き取りと完全な乾燥
最後に、きれいなキッチンペーパーで道具に付いたクリーナーを吸収させるようにしっかりと拭き取ります。筆の場合は、指で優しく毛先を本来の形に整え、筆先を下にして吊るすか、ペンスタンドなどに立てて風通しの良い場所で完全に乾燥させます。水気と違い、溶剤は比較的早く蒸発しますが、完全に乾ききる前に次の作業に使うと、レジン液に溶剤が混入し硬化不良の原因となるため注意が必要です。

プロのポイント:洗浄に使って少し汚れたクリーナーは、すぐに捨てずに蓋付きのガラス瓶などに「洗浄用」と明記して保管しておくと、次回の一次洗浄用として再利用でき非常に経済的です。汚れが沈殿してきたら、上澄みだけを注意深く使うとさらに長持ちします。

レジンクリーナーを使ったモールドの手入れ

レジンクリーナーを使ったモールドの手入れ イメージ

レジンクリーナーは、デリケートなシリコンモールドの手入れや、硬化した作品を物理的な力に頼らずスムーズに取り出す(離型する)際にも、絶大な効果を発揮します。大切なモールドを傷つけずに、作品の完成度をプロレベルに引き上げるための正しい使い方を解説します。

はみ出たレジン液の精密な拭き取り

モールドにレジン液を流し込む際に、縁からはみ出してしまったり、意図しない部分に付着したりすることがあります。このような場合は、UVライト等で硬化させる作業の前に、先の細い綿棒や、つまようじの先に巻き付けたティッシュの先端にレジンクリーナーを少量だけ染み込ませ、はみ出た部分を優しくなでるように拭き取ってください。硬化前にこの一手間を加えることで、硬化後に発生する面倒なバリ取りや研磨作業を大幅に削減でき、作品の仕上がりが格段に向上します。

硬化後、作品をモールドからスマートに取り外す(離型)

特に複雑な形状や薄い作品の場合、硬化したレジンがモールドからうまく取り外せないことがあります。無理に力を加えると、作品が破損したり、モールドが裂けたりする原因になります。ここでもレジンクリーナーが役立ちます。

まず、UVライトでの硬化直後はレジンが高温になっており、非常にデリケートな状態です。変形や破損のリスクを避けるため、最低でも5分ほどは平らな場所に置いて作品を十分に冷ましましょう。

作品が完全に冷めたら、硬化したレジンとモールドの間にできたわずかな隙間に、筆や綿棒を使ってレジンクリーナーを少量、毛細管現象を利用するように流し込みます。液体がスーッと浸透することで、モールドとレジンの表面張力が弱まり、まるで潤滑油のように作用します。その結果、裏側から指で軽く押すだけで、驚くほど抵抗なく「するん」と作品を取り外せるようになります。

注意:この離型方法は非常に効果的ですが、クリーナーの成分がシリコンに長時間触れると、モールドの油分を奪い、劣化を早めてしまう可能性も指摘されています。あくまで最終手段とし、使用は必要最低限の量に留め、使用後はクリーナー成分が残らないよう中性洗剤などでモールドを洗浄することをお勧めします。

レジンクリーナーとうすめ液の決定的な違い

レジンクリーナーとうすめ液の決定的な違い イメージ

レジン関連の液体製品には「うすめ液(リデューサー)」というものもあり、特に初心者の方がクリーナーと混同しがちですが、この二つの役割と化学的な性質は全く異なります。誤った使い方をすると、作品がいつまでも固まらない、白く濁るといった致命的なトラブルに繋がるため、その違いを正確に理解しておくことが失敗を防ぐ鍵となります。

結論から言うと、それぞれの目的は明確に分かれています。

製品名目的役割の例え主成分の系統
レジンクリーナー硬化前のレジン液を「洗浄・除去」する食器用洗剤、メイク落とし有機溶剤(アルコール系など)
レジンうすめ液レジン液の粘度を下げ「希釈」する絵の具に混ぜる水、料理に加える出汁反応性希釈剤(レジンと重合する成分)

このように、レジンクリーナーは道具や作業台を綺麗に保つための「お掃除アイテム」です。その主成分はレジンを溶かす能力に特化した有機溶剤であり、レジン液と化学的に結合(重合)するようには設計されていません。

一方、レジンうすめ液は、カラーレジンを作る際に顔料を混ぜやすくしたり、細かいデザインのモールドの隅々まで液体を流し込みやすくしたりするために使う「制作補助アイテム」です。その成分はレジン液と共にUVライトなどに反応して硬化する「反応性希釈剤」が使われており、作品の一部となることを前提としています。

もし、レジン液をサラサラにしようとして粘度調整の目的でレジンクリーナーを混ぜてしまうと、硬化反応を阻害する成分が混入することになり、深刻な硬化不良や白濁、強度低下を引き起こします。目的が全く異なる液体ですので、絶対に混ぜないようにしてください。

レジンクリーナーがない時の代用アイテム

レジンクリーナーがない時の代用アイテム イメージ

「さあ、作業を始めよう!」と思った矢先に、レジンクリーナーを切らしていることに気づく…そんな緊急事態は誰にでも起こり得ます。そんな時、家にあるもので代用できるアイテムはあるのでしょうか。ここでは、代表的な代替品と、それらを使用する上での重要な注意点を詳しく解説します。

最も推奨される代用品:無水エタノール

結論として、最も推奨される代用品は、純度99.5%以上の「無水エタノール」です。UVレジンはアクリル樹脂やエポキシ樹脂を主成分とする石油系の合成樹脂であり、水分をほとんど含まない高純度のアルコールで洗浄するのが化学的に非常に効果的です。無水エタノールは薬局やドラッグストアで入手できます。

「消毒用エタノール」はNG!

同じエタノールという名前でも、手指の消毒などに使われる「消毒用エタノール」は、約80%のエタノールを水で希釈したものです。この水分がレジンと混ざると、白く濁ってしまい、洗浄効果が著しく低下します。代用する際は、必ず「無水」と表記されたものを選んでください。

注意が必要な代用品:除光液(ネイルリムーバー)

マニキュアを落とす「除光液」も洗浄力はありますが、使用には細心の注意が必要です。特に、アセトンを含む除光液は溶剤として非常に強力ですが、そのぶん攻撃性も高く、繊細なシリコンモールドを溶かしたり、プラスチック製の道具を白化させたりするリスクが非常に高いです。もし使用する場合は、アセトンが含まれていない「ノンアセトン」タイプを選ぶことを強く推奨しますが、それでも他の溶剤が含まれているため、まずは目立たない場所で試すのが賢明です。

運営者TOMOの視点:
緊急時にはこれらの代用品も有効ですが、洗浄力、素材への影響、安全性を総合的に考慮すると、やはり専用に開発されたレジンクリーナーが最も安全で確実な選択です。特に高価なシリコンモールドや大切な筆を長く使うためには、専用品への投資を惜しまないことをお勧めします!

代用品の無水エタノールとの違いは?

代用品の無水エタノールとの違いは? イメージ

前述の通り、レジンクリーナーの代用品として最も優秀なのが「無水エタノール」です。しかし、専用品であるレジンクリーナーと無水エタノールには、性能や安全性、コスト面にいくつかの重要な違いがあります。どちらが自分の用途に合っているか正しく判断するために、それぞれの特徴を深く比較してみましょう。

ここでは、洗浄力、安全性、コスト、入手性の4つの観点から、より詳細な比較情報を表にまとめました。

比較項目専用レジンクリーナー無水エタノール
洗浄力◎(非常に高い)
粘性の高いレジンも素早く溶かす。
○(高い)
十分な洗浄力があるが、やや時間がかかることも。
安全性○(用途に特化)
レジン用に調整されているが、換気は必要。
△(引火性が非常に高い)
火気厳禁。静電気でも引火の危険性あり。
コスト△(やや高価)
手芸メーカー品は100mlで800円前後が目安。
△(比較的高価)
500mlで1,200円~1,500円程度が相場。
入手性△(手芸店・通販が主)
専門店でないと見つけにくい。
○(ドラッグストアなどで購入可能)
比較的どこでも手に入りやすい。

専用レジンクリーナーは、レジンを溶かすことに特化して複数の溶剤がブレンドされているため、やはり洗浄力が最も高く、作業効率が良いのが最大のメリットです。一方、無水エタノールも十分な洗浄力を持ち、ドラッグストアで手軽に購入できる利便性が魅力です。

しかし、安全性には特に注意が必要です。無水エタノールは、消防法における危険物第4類(引火性液体)に該当する物質です。国際化学物質安全性カード(ICSC)、その引火点(火を近づけた際に着火する最低温度)は12℃と非常に低く、夏場の室内などでは常に引火のリスクがあると認識すべきです。火の気の近くでは絶対に使用せず、作業中は必ず窓を開けるなどして十分に換気を行ってください。


悩み解決で役立つレジンクリーナーの使い方

  • 手についたレジン汚れの落とし方と注意点
  • 床にレジンをこぼした時のクリーナー活用
  • 固まったレジンにクリーナーは効果ある?
  • ダイソーのレジンクリーナーの性能を解説
  • レジンクリーナーは代用できる?の疑問
  • まとめ:最適なレジンクリーナーの使い方

手についたレジン汚れの落とし方と注意点

手についたレジン汚れの落とし方と注意点 イメージ

どれだけ注意していても、レジン制作中に意図せずレジン液が手や指に付着してしまうことは避けられません。しかし、この際の対処法を間違えると、痒みや赤みを伴う皮膚トラブル、さらには深刻な化学物質アレルギーの原因になる可能性があるため、医学的な観点から正しい知識を持つことが、ホビーを長く楽しむために非常に重要です。

まず、絶対にやってはいけないことがあります。それは、ティッシュで拭き取った後に、消毒用アルコールやアセトン、レジンクリーナーで手を拭くことです。これらの溶剤は確かにレジンを溶かしますが、同時に皮膚の皮脂膜(バリア機能)を破壊し、分子量の小さい化学物質を毛穴の奥まで浸透させてしまう「経皮吸収」を促進させてしまう危険性があります。

警告:化学物質による接触皮膚炎(アレルギー)のリスク

UVレジンの主成分であるアクリレートモノマー等は、アレルギーを引き起こしやすい「感作性物質」として知られています。皮膚に繰り返し接触することで、ある日突然、体がアレルギー反応を起こすようになり、痒み、水ぶくれなどの症状(アレルギー性接触皮膚炎)を発症することがあります。厚生労働省 – 2023年度 家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告 通り、一度アレルギーを発症すると、その後は微量の接触でも症状が誘発される体質になってしまうため、皮膚に付着させない、付着したら溶剤で擦り込まない、という予防が何よりも大切です。

推奨される安全な落とし方

手についたレジン液は、水や通常の石鹸で洗ってもヌルヌル感がなかなか取れません。以下に、皮膚への負担が少ない、推奨される落とし方を紹介します。

1. まず物理的に拭き取る
最初に、乾いたキッチンペーパーやウエスで、擦らずに吸い取るようにして、できるだけ多くのレジン液を取り除きます。

2. スクラブ剤などで洗い流す
次に、以下のいずれかの方法で洗い流します。

  • 専用ハンドクリーナー:最も安全で効果的なのは、塗料や工業用油を落とすためのスクラブ剤入り専用ハンドクリーナーを使用することです。皮膚への刺激が少なく、指紋や爪の間の細かい汚れまでしっかりとかき出してくれます。
  • 重曹+食器用洗剤:ご家庭にあるもので代用する場合、重曹と食器用洗剤(界面活性剤)を1:1で混ぜてペースト状にし、それで手を優しくこすり洗いする方法も有効です。重曹の細かい粒子が物理的なスクラブの役割を果たし、汚れを剥がし取ります。

最後に、ぬるま湯で十分にすすぎ、ハンドクリームなどで保湿ケアを行うと万全です。

床にレジンをこぼした時のクリーナー活用

床にレジンをこぼした時のクリーナー活用 イメージ

作業台や床に誤ってレジン液をこぼしてしまった場合、パニックにならず、硬化が本格的に始まる前に迅速かつ冷静に対処することが被害を最小限に食い止める鉄則です。部屋の照明(LEDや蛍光灯)や窓から差し込む自然光に含まれる紫外線でも、レジンはゆっくりと硬化を始めてしまうため、スピードが勝負となります。

こぼしたレジンの具体的な掃除手順

1. 光を完全に遮断する
もしすぐに対応できない場合や、こぼした範囲が広い場合は、まず段ボールやアルミホイル、厚手の布などをそっとかぶせて、現場への光を完全に遮断しましょう。これにより、硬化の進行を一時的に停止させ、対処する時間を稼ぐことができます。

2. レジン液を物理的に吸い取る
ヘラや厚紙などでこぼれたレジン液を一箇所に集め、キッチンペーパーや吸水ポリマー(ペットシートやオムツの中身など)を使って、できるだけ多くを吸い取ります。このとき、汚れを周囲に広げないよう、外側から中心に向かって作業するのがコツです。

3. レジンクリーナーで残りを拭き取る
物理的に取り除けなかった床面のベタつきを、レジンクリーナーや無水エタノールを染み込ませたペーパータオルやボロ布で丁寧に拭き取ります。フローリングのワックスや塗装を傷める可能性もあるため、必ず最初に部屋の隅などの目立たない場所で試してから、全体に使用するようにしてください。

豆知識:レジンが付着したゴミの正しい廃棄方法
レジン液が付着したペーパータオルや布は、液体(化学物質)が付着した状態のままゴミ箱に捨ててはいけません。ビニール袋などに入れて日光の当たる場所に半日~1日程度放置し、紫外線を当ててレジンを完全に硬化させます。カチカチのプラスチック状になったことを確認してから、お住まいの自治体が定める通常の家庭ごみ(多くは燃えるゴミ)として廃棄するのが、環境にも配慮した正しい処理方法です。

固まったレジンにクリーナーは効果ある?

固まったレジンにクリーナーは効果ある? イメージ

「机の上で硬化してしまったレジンを溶かしてきれいにしたい」「硬化に失敗した作品をクリーナーで溶かせないか?」といった疑問を抱く方もいるかもしれませんが、残念ながら、その期待にクリーナーは応えられません。結論として、一度化学反応によって完全に硬化したレジンを、レジンクリーナーやそれに類する溶剤で溶かす(溶解させる)ことはできません。

この理由は、レジンの硬化が単に乾燥するのではなく、「重合」という不可逆的な化学反応だからです。液体状のモノマー(単量体)が、紫外線のエネルギーによって互いに手をつなぎ、強固な網目構造を持つポリマー(重合体)に変化します。この安定した構造を、クリーナーのような有機溶剤の力で分解することは不可能なのです。これは、代用品である無水エタノールや、より強力なアセトンでも同様です。

ただし、前述の通り、モールドと硬化物の隙間に流し込むことで、物理的な固着を弱め剥がしやすくする」潤滑剤や剥離剤に近い効果は期待できます。机などに固着してしまった場合は、プラスチック製のスクレーパーやヘラなどで、下の素材を傷つけないように慎重に、少しずつ削り取っていくのが唯一の基本的な対処法となります。

ダイソーのレジンクリーナーの性能を解説

ダイソーのレジンクリーナーの性能を解説 イメージ

近年、100円ショップのダイソーでもレジン関連商品のラインナップが驚くほど充実しており、消耗品であるレジンクリーナーも販売されています。専門メーカー品に比べて圧倒的な低価格を実現しているため、コストを抑えたい方にとって、その性能は非常に気になるところでしょう。

様々なハンドメイド作家のブログやSNSでのレビューを総合すると、「専門メーカーの高価な製品と比較しても遜色なく、日常的な用途で問題なく使える」という評価が大多数を占めています。筆や調色スティックの洗浄、モールドからの離型といった、レジンクリーナーに求められる基本的な性能は十分に満たしていると言って間違いありません。

ただし、価格が安いぶん、いくつかのトレードオフと考えられる特徴もあります。まず、匂いについては多くのユーザーが言及しており、「消毒用エタノールのような、ややツンとくる強めのアルコール臭がある」という意見が散見されます。主成分がイソプロピルアルコール等のためと考えられ、匂いに敏感な方や、閉め切った室内で長時間作業する際は、通常以上に換気を徹底する必要があるでしょう。

運営者TOMOの視点:
ダイソーのレジンクリーナーは、コストパフォーマンスを最優先する方、レジン制作を始めたばかりで初期投資を抑えたい方、あるいは使用頻度がそれほど高くないライトユーザーにとっては、疑いようもなく非常に有力な選択肢です!まずは低価格なもので一通りの作業を試し、より速い洗浄速度や、匂いの少なさ、あるいは特定の素材への優しさといった付加価値を求めるようになった段階で、専門メーカー品を検討するというのが、最も賢い製品選びの方法かもしれません。

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>>レジンクリーナーは100均で買える?代用から使い方まで徹底解説

レジンクリーナーは代用できる?の疑問

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この記事では、レジンクリーナーの代用品として「無水エタノール」や「ノンアセトン除光液」を紹介してきました。では、視点を変えて、逆にプラモデル用の「ツールクリーナー」や塗装用の「うすめ液(シンナー)」といった他の強力な液体洗浄剤で、レジンクリーナーを代用することはできるのでしょうか。

化学的には、これらの強力な溶剤は未硬化のレジン液を落とすことが可能です。しかし、その使用は「非推奨」であり、大きなリスクを伴います。その理由は、これらの溶剤がレジンを溶かす以上に、道具や素材そのものを侵してしまう危険性が非常に高いからです。

例えば、模型用のツールクリーナーには、プラスチックを溶かす性質を持つケトン系やエステル系の溶剤が高濃度で含まれていることが多く、プラスチック製の調色パレットやスティックを白化させたり、変質させたりする可能性があります。さらに深刻なのはシリコンモールドへの影響で、これらの強力な溶剤に触れると、シリコンが膨潤(ブヨブヨに膨らむ)したり、溶解したりして、二度と使えなくなってしまうことが考えられます。

大切な道具や、一つ数千円することもある高価なシリコンモールドを長く使い続けるためには、やはりレジンにはレジン用に成分調整された専用のクリーナーを使用するのが、最も安全で確実な方法です。代用品の検討は、あくまで専用品が手元にない場合の、リスクを理解した上での緊急措置と捉えておくべきでしょう。後にレジン使用後の片付け全般についてわかりやすくまとめられている動画をみつけたのでぜひみてみてください。

まとめ:最適なレジンクリーナーの使い方

まとめ:最適なレジンクリーナーの使い方 イメージ

最後にレジン使用後の片付け全般についてわかりやすくまとめられている動画を見つけたのでぜひみてみてください。レジンクリーナーの使用方法も含まれています!
>>【片付けの前に見る動画】レジンの掃除方法まとめ

動画元:こうやみ | ハンドメイド講師養成のプロ

この記事では、レジンクリーナーの基本的な使い方から、化学的根拠に基づいたトラブル対処法、各種代用品との詳細な比較まで、包括的に解説しました。最後に、あなたのレジン制作をより安全で質の高いものにするための重要なポイントを、リスト形式で振り返ります。

  • レジンクリーナーは硬化前の液体状レジンを洗浄するための専用溶剤である
  • 主な用途は筆やスティックなど繊細な道具の洗浄と保護
  • もう一つの重要な用途はモールドから硬化物をスムーズに取り出すための離型補助
  • 道具の洗浄は「物理的に拭き取る→クリーナーで洗う→再度拭き取る」の3ステップが基本
  • 離型で使う際は、作品の熱が完全に冷めてから隙間に少量流し込むこと
  • 最適な代用品は純度99.5%以上の「無水エタノール」であり、水分を含む消毒用は不適
  • アセトン入り除光液はモールドや道具を傷める危険性が非常に高いため使用は避ける
  • レジン液が手についたら、溶剤は使わず、専用クリーナーか「重曹+食器用洗剤」で洗う
  • 手についたレジンをアルコール等で拭くと、経皮吸収を促しアレルギーのリスクを高める
  • 床にこぼしたら、まず光を遮断し、物理的に吸い取ってからクリーナーで拭き取る
  • レジンが付着した紙ゴミは、日光で完全に硬化させてから自治体の指示に従い廃棄する
  • 一度完全に硬化したレジン(ポリマー)をクリーナー(溶剤)で溶かすことは化学的に不可能
  • ダイソーのクリーナーは非常に安価で、基本的な性能は専門メーカー品と遜色ない
  • クリーナーは「洗浄・除去」が目的の溶剤、うすめ液は「希釈」が目的の反応性希釈剤で全くの別物
  • プラモデル用ツールクリーナー等の流用は、道具やモールドを破損させるリスクが高く非推奨

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