※本記事はプロモーションが含まれています。
手軽に美しいアクセサリーや小物を作れるレジンクラフト。その一方で、独特の匂いに悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。この匂いは体に悪いのか、換気はどのくらい必要なのか、硬化後も残る匂いはいつまで続くのか、といった疑問は尽きません。
UVレジンやエポキシレジンの匂いの違い、部屋にこもった匂いを消す方法、そして適切なマスクの選び方まで、気になる点は多いはずです。さらに、匂いが原因で起こるレジンアレルギーの心配や、そもそも臭くないレジン液のおすすめはないか探している方もいるでしょう。
この記事では、そんなレジンの匂いを消す方法に関するあらゆる悩みを解決するため、原因から具体的な対策までを網羅的に解説します。
- レジンの匂いの原因と体への影響
- 換気やマスクなど基本的な匂い対策
- 部屋や作品に残った匂いの消し方
- 匂いが少ないレジン液の選び方
基本的なレジン匂いを消す方法と原因
レジンの匂いは体に悪いのか?

結論から言うと、レジンの匂いを長時間にわたり高濃度で吸い込むことは、体に良い影響を与えません。趣味で楽しむ短時間の作業であっても、適切な対策は不可欠です。
レジン液が硬化する際に発生する特有の匂いの主な原因は、「揮発性有機化合物(VOC)」と呼ばれる、常温で気体になりやすい有機化学物質の総称です。レジン液の主成分であるアクリル酸エステルなどがこれに該当し、硬化の過程で空気中に放出されます。厚生労働省も、シックハウス症候群の原因の一つとして室内空気中の揮発性有機化合物について注意喚起をしています。(参照:厚生労働省「シックハウス対策」)
このガスには、人によってはアレルギー反応や健康への影響を引き起こす可能性のある物質が微量に含まれていると言われています。濃度が高い環境に長時間いると、化学物質過敏症のような状態を引き起こすリスクもゼロではありません。
【注意】体調の変化に気をつけましょう
レジン作業中に頭痛、吐き気、めまい、目のチカチカ、喉の痛み、気分の不快感などを感じた場合は、すぐに作業を中断してください。そして、新鮮な空気を吸えるベランダや屋外に出て安静にしましょう。これらの症状は、体が揮発性有機化合物に反応している危険なサインかもしれません。
もちろん、適切な換気を行い、短時間の作業であれば過度に心配する必要はないという意見もあります。しかし、安全にレジンクラフトを楽しむためには、この匂いの原因となるガスを「いかに吸い込まないようにするか」という意識を常に持つことが非常に重要です。
匂いが原因?レジンアレルギーとは

レジンの匂いをきっかけに、あるいはレジン液に繰り返し触れることで、「レジンアレルギー(接触皮膚炎)」を発症するケースが報告されています。これは、レジン液に含まれる化学物質がアレルゲン(アレルギーの原因物質)として体内に記憶され、次に同じ物質に触れた際に免疫システムが過剰に反応してしまう状態を指します。
主な症状としては、レジン液に触れた、またはガスに暴露された部分の皮膚に以下のような反応が現れます。
- かゆみ:我慢できないほどの強いかゆみを伴うことが多いです。
- 赤みや湿疹:皮膚が赤く腫れ上がり、ブツブツとした湿疹が現れます。
- 水ぶくれ:症状が進行すると、火傷のような水ぶくれができることもあります。
- かぶれ:広範囲にわたって皮膚がただれたような状態になります。
最初は少し痒い程度でも、繰り返しレジンに触れることで症状が悪化し、全身に広がる可能性もあります。また、皮膚症状だけでなく、匂いを吸い込むことで喘息のような呼吸器系の症状を引き起こす可能性も指摘されています。そして何より知っておくべきなのは、一度アレルギーを発症すると、基本的に完治は難しいとされている点です。
アレルギーは誰にでも、ある日突然発症する可能性があります。「今まで大丈夫だったから」という油断は禁物です。レジン液が直接肌に触れないようにニトリル製の手袋を着用する、保護メガネで目や顔周りを守るなど、基本的な対策を徹底することが自分自身を守ることに繋がります。
このように言うと不安になるかもしれませんが、正しい知識を持って予防策を講じれば、リスクを大幅に減らすことが可能です。次の項目から、具体的な対策を詳しく見ていきましょう。
換気の時間はどのくらいが目安?

レジンの匂い対策で最も簡単かつ、最も効果的な方法が「換気」です。硬化時に発生する揮発性有機化合物(VOC)を室内に滞留させないために、空気の流れを意識的につくる必要があります。
では、具体的にどのくらいの時間、どのような方法で換気を行えば良いのでしょうか。
【換気の時間と方法の基本】
- 換気時間:作業中はもちろんのこと、作業を終えた後も最低1時間は換気を継続することが強く推奨されます。
- 換気方法:空気の入口と出口を作るため、部屋の対角線上にある2ヶ所以上の窓を開けるのが最も効率的で理想的です。
レジンは硬化が完了したように見えても、化学反応が完全に停止したわけではなく、しばらくの間は微量のガスが発生し続ける可能性があります。特に匂いが強いと感じるレジン液を使用した場合や、テーブルのような大きな作品を制作した際は、数時間から半日程度、窓を開けたままにしておくとより安心です。
窓が1つしかない場合の換気術
もし作業部屋の窓が1つしかない場合でも、工夫次第で換気効率を高めることができます。キッチンの換気扇や浴室の換気扇など、家の中で最も排気能力の高い換気扇を回しましょう。さらに、扇風機やサーキュレーターを窓の外側に向けて設置し、室内の空気を強制的に外へ排出する仕組みを作ると効果的です。
暑い日や寒い日に窓を開けっ放しにするのは大変かもしれませんが、ご自身の健康を守るための最も重要な対策です。短時間でも良いので、必ず定期的に空気の入れ替えを行うようにしてください。
レジンの匂いに効果的なマスクは?

十分な換気と合わせて、ぜひ行いたいのが適切なマスクの着用です。ここで非常に重要な点として、一般的な不織布マスクや医療用サージカルマスク、ウレタンマスクなどでは、レジン硬化時に発生する気体状の有機ガスを防ぐ効果はほとんど期待できません。
レジン作業で高性能なマスクの着用が特に推奨されるのは、以下の2つの状況です。
- エポキシレジン(2液性レジン)を使う時:主剤と硬化剤の化学反応により、UVレジンよりも多くのガスが発生する傾向があります。
- 硬化したレジンを削る時:目に見えない細かい粉塵が飛散し、吸い込むと呼吸器系の疾患につながる恐れがあります。
これらの作業内容に応じて、マスクの種類を正しく使い分ける必要があります。
| マスクの種類 | 推奨される作業 | 主な効果と注意点 |
|---|---|---|
| 防毒マスク (有機ガス用吸収缶付き) | エポキシレジン(2液)の混合・硬化時、UVレジンの匂いが特に気になる場合、換気が不十分な環境での作業 | 活性炭が入った吸収缶(フィルター)が有害な有機ガスを吸着し、体内への吸引を防ぎます。吸収缶には使用期限があるので必ず確認が必要です。 |
| 防塵マスク (DS2/N95規格以上) | 硬化したレジンの研磨・切削作業時(ルーター、ヤスリがけなど) | 目に見えない細かい粉塵の吸い込みを防ぎます。「DS2」(日本規格)や「N95」(米国規格)といった、粒子の捕集効率が高い規格のものを選びましょう。 |
小さなUVレジンのアクセサリーを作る程度であれば、十分な換気を行うことを前提に、必ずしも防毒マスクは必須ではないという考え方もあります。私はレジンを扱うときにマスクはしてませんが特にアレルギーなどは出てません。しかし、匂いに敏感な方、アレルギーが心配な方、そして換気が不十分になりがちな環境で作業する方は、安全のために防毒マスクを用意しておくことを強くおすすめします。保護具専門メーカーのウェブサイトなどで、適切なマスクの選び方を確認するのも良いでしょう。
(参照:興研株式会社)
状況別のレジン匂いを消す方法と選び方
- 部屋に残る匂いを消すには?
- 硬化後も匂いが取れない原因と対策
- 作業後の匂いはいつまで続くのか
- UVレジンの匂いの強さと特徴
- エポキシレジンの匂いについて
- 臭くないレジン液のおすすめの選び方
- 安全に楽しむレジン匂いを消す方法
部屋に残る匂いを消すには?

「しっかり換気したはずなのに、なんだか部屋がレジン臭い…」そんな経験はありませんか。空気中に漂うガスだけでなく、様々な場所に付着した匂いの発生源を取り除くことが重要です。作業後に部屋に残ってしまった匂いを消すには、いくつかの効果的な方法があります。
活性炭フィルター付きの空気清浄機を導入する
最も効果が期待できる方法の一つが、活性炭(チャコール)フィルターを搭載した空気清浄機の利用です。活性炭には、目に見えない無数の微細な穴(細孔)があり、その表面積は非常に広大です。そこに匂いの原因となるガス分子を物理的に吸着させることで、室内の空気を浄化します。
特に、3Dプリンターで光造形レジンを頻繁に使用する方や、作業スペースと生活スペースが同じ部屋の方は、導入を検討する価値が非常に高いと言えるでしょう。一般的なホコリや花粉用のフィルターだけでは効果が薄いため、必ず「脱臭機能」や「VOC対応」を謳った製品を選んでください。
アルコールで徹底的に拭き掃除を行う
見落としがちなのが、作業台や道具、床、壁などに飛び散って付着したごく微量の未硬化レジンです。ほんの少し付着しただけでも、そこからガスが発生し続け、しつこい匂いの発生源となります。
レジンクリーナーや無水エタノール、消毒用エタノールなどをキッチンペーパーや布に含ませて、作業周辺をこまめに拭き掃除をする習慣をつけましょう。これにより、匂いの原因を根本から取り除くことができます。また、レジンが付着したゴミは、ビニール袋などに入れてしっかりと口を縛ってから捨てると、ゴミ箱からの匂い漏れを防げます。
これらの対策は、匂いを消すだけでなく、意図せず未硬化レジンに触れてしまうことによるアレルギー対策としても極めて有効です。清潔な環境を保つことが、安全なレジンクラフトの第一歩となります。
硬化後も匂いが取れない原因と対策

「UV-LEDライトをしっかり当ててカチカチに硬化したはずなのに、完成した作品からまだレジンの匂いがする…」これは、レジンクラフトで非常によくある悩みのひとつです。
硬化後に匂いが残る主な原因は、見た目では分かりにくい「硬化不良(未硬化)」が考えられます。
表面は固まってツルツルしているように見えても、内部がまだ完全には硬化しきれていない、いわば「生乾き」の状態です。特に、以下のようなケースでは硬化不良が起こりやすくなります。
- 着色剤の入れすぎ:特に黒や紺、濃い茶色など、光を通しにくい顔料を多く入れると、UVライトの光が内部まで届かず硬化不良を起こします。
- 厚みのある作品:一度にたくさんのレジン液を流し込んで作った厚みのある作品は、表面しか硬化しないことがあります。
- モールドの材質:シリコンモールドでも、着色されているものや透明度が低いものは、紫外線の透過率が低く硬化不良の原因になります。
- ライトの性能:UVライトの波長がレジン液と合っていなかったり、ライトの出力が弱かったり、寿命で劣化している場合も硬化不良につながります。
もし作品にベタつきが残っている場合は、明らかに未硬化です。心当たりがある場合は、もう一度UV-LEDライトを当ててみましょう。作品を裏返したり、様々な角度から光を当てたりしながら、追加で照射することで内部までしっかりと硬化し、匂いが軽減されることがあります。
もし、追加硬化を試しても匂いが取れない場合は、硬化時に発生したガスが作品の表面に留まっているだけの可能性もあります。その際は、数日間、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いておくことで、自然と匂いが飛んでいくのを待つのも一つの手です。作品をすぐに密閉容器や袋に入れてしまうと匂いがこもりやすくなるため、注意が必要です。
作業後の匂いはいつまで続くのか

レジン作業後の匂いがいつまで続くのかは、作業環境、換気効率、使用したレジン液の種類や量、そして室温や湿度など、複数の要因によって大きく異なります。
一般的には、適切な換気(作業後1時間以上)をしっかりと行っていれば、作業終了後数時間から1日程度でほとんど気にならなくなることが多いです。しかし、換気が不十分だったり、匂いの強いレジン液を大量に使用したりした場合は、壁紙やカーテンに匂いが染みついてしまい、数日間にわたってしつこく匂いが残ってしまうこともあります。
前述の通り、匂いの正体は揮発性のガスです。このガスが完全に空気中からなくなり、さらに壁や布製品から放出しきるまでの時間が、匂いが続く時間と言えます。
匂いを早く消すためのチェックポイント
結局のところ、匂いが消えるまでの時間を短縮する最も効果的な方法は、作業中・作業後の換気を徹底することに尽きます。もし匂いが長引く場合は、以下の点を確認してみてください。
- ゴミ箱にレジンが付着したティッシュやスティックが残っていないか?
- 作業台の下や床の隅に、気づかないうちにレジン液がこぼれていないか?
- 使用した道具(シリコンマットや調色パレットなど)が洗い残しなく綺麗になっているか?
また、完成した作品からも、しばらくは微量のガスが放出されることがあります。もし完成品の匂いが気になる場合は、すぐに身につけたり飾ったりせず、風通しの良い場所で数日保管(いわゆる「ガス抜き」)してから使用すると良いでしょう。
UVレジンの匂いの強さと特徴

UVレジン(紫外線硬化樹脂)は、一般的に特有のツンとしたアクリル系の刺激臭があります。これは、主成分であるアクリレート系のモノマーや、紫外線を吸収して硬化反応を開始させる光重合開始剤などが、UVライトのエネルギーによって揮発する際に発生するものです。
この匂いの強さは製品によって本当に様々で、近年は各メーカーの企業努力により、原料や配合を工夫して匂いを大幅に軽減した製品も多く販売されています。一方で、特に安価な海外製品などの中には、かなり匂いが強く、気分が悪くなってしまうほどのものも存在するため注意が必要です。
一般的に、LEDライトに対応した比較的新しいタイプのレジン液は、旧来のUVライトのみに対応した製品よりも匂いがマイルドな傾向がある、という声もあります。もし、現在お使いのUVレジン液の匂いが「キツイ」と感じる場合は、他の製品を試してみることで、その悩みが劇的に解決するかもしれません。商品のレビューなどで「匂いが少ない」「無臭に近くて快適」といった評価のものを探してみるのがおすすめです。
エポキシレジン(2液性レジン)の匂いについて

主剤(A液)と硬化剤(B液)を指定の比率で混合し、その化学反応によって時間をかけて硬化させるエポキシレジンは、UVレジン以上に製品による匂いの差が大きいのが最大の特徴です。
匂いの原因は、主に硬化剤(B液)に含まれるアミン系の成分であることが多いと言われています。製品によっては、ツンとした刺激臭が強いものから、化学的な匂いがほとんどしない、ほぼ無臭に近い感覚で使えるタイプまで幅広く存在します。
豆知識:硬化時間と匂いの関係
一般的に、硬化に24時間~72時間といった長い時間がかかるエポキシレジンほど、匂いが少ない傾向にあるようです。これは、化学反応がゆっくりと穏やかに進むため、一度に発生するガスの量が少なくなるためだと考えられます。逆に、数時間で硬化する速硬化タイプは、反応が急激に進むため発熱も大きく、匂いも強くなる傾向があります。
リバーテーブルや大きなアートパネルの制作など、大量のエポキシレジンを使用する場合は、作業時間も長くなるため、できるだけ匂いの少ない製品を選ぶことが心身の負担を減らし、快適な作業環境を維持する上で非常に重要です。また、前述の通り、エポキシレジンは化学反応でガスが発生するため、十分な換気と、可能であれば有機ガス用の防毒マスクの着用が強く推奨されます。
臭くないレジン液のおすすめの選び方

ここまで解説してきた通り、レジン液の匂いは製品によって雲泥の差があります。もし匂いが苦手でレジンクラフトを敬遠しているのであれば、あるいは今の製品に不満があるのであれば、思い切って「匂いの少ないレジン液」に切り替えてみることを強くおすすめします。
臭くないレジン液を選ぶ際の具体的なポイントは以下の通りです。
商品のレビューや口コミを徹底的に確認する
最も手軽で信頼性が高い方法が、実際に商品を使用した人のレビューを確認することです。「匂いがほとんどしなかった」「他の製品よりマイルドで使いやすい」「リピート確定です」といった具体的な声は、製品選びの大きな参考になります。オンラインショップのレビューはもちろん、SNSや個人のブログなどで使用感を検索してみましょう。ただし、匂いの感じ方には個人差があることは念頭に置いておく必要があります。
「低臭気」「無臭」を謳う製品を選ぶ
メーカー側も匂いの問題を最重要課題の一つとして認識しており、近年では匂いを大幅にカットした製品開発に非常に力を入れています。商品説明に「低臭タイプ」「刺激臭を大幅に軽減」「無臭タイプ」といった記載があるものを選ぶのが賢明です。大手手芸メーカーの公式サイトなどで、製品ごとの特徴を比較検討するのも良いでしょう。(例:株式会社パジコ公式サイト「レジン関連商品」)
植物由来の原料を使用したレジンを試す
一部のメーカーからは、従来の石油由来の原料ではなく、植物由来のバイオマス原料を一部に使用したレジン液が販売されています。これらの製品は、従来品に比べて匂いが非常にマイルドな傾向があるとされています。環境負荷が少ないというメリットもあるため、新しい選択肢の一つとして検討する価値は十分にあるでしょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 匂い | 石油由来に比べ非常にマイルドな傾向 | 完全に無臭というわけではない |
| 環境 | 環境負荷が比較的小さい(サステナブル) | – |
| 価格 | – | 石油由来の製品より高価な場合が多い |
| 性能 | 透明度や硬度も高品質な製品が多い | 製品によっては硬化時間が長めの場合がある |
自分に合ったレジン液を見つけることで、匂いのストレスから解放され、より安全で快適に創作活動に集中できるようになります。
安全に楽しむレジン匂いを消す方法

この記事で解説してきた、安全にレジンクラフトを楽しみ、匂いを消すための方法について、最後に最も重要なポイントをリスト形式でまとめます。
これらの対策を一つひとつ丁寧に実践することで、レジンの匂いに関する悩みは必ず解決できます。ぜひ、ご自身の健康と安全を第一に考え、素晴らしいレジンライフを楽しんでください。


コメント