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こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
せっかく作ったお気に入りのレジン作品、いつまでも綺麗なまま手元に置いておきたいですよね。でも、ふと気づくと「あれ?なんだか黄色っぽくなってる…」とか「表面がベタベタしてケースにくっつく」なんて経験はありませんか。実はレジンの保管方法にはちょっとしたコツがあって、ただ100均や無印のケースに入れれば安心というわけではないんです。
特にポリスチレン素材の収納用品による癒着トラブルや、紫外線による黄変のリスクは、知っているだけで防げることがたくさんあります。「ケースに入れていたのに、ケースの跡が作品にベッタリついてしまった」という悲しい事故は、素材の相性を知っていれば100%防げるものです。この記事では、私が実際に試してよかった具体的なアイテムや、やってはいけないNG行動も含めて、あなたの大切な作品を守るための知識を余すことなくお伝えします。

- レジン作品の黄変やベタつきが発生する科学的な原因と防止策
- 100均や無印良品で買えるレジン保管に最適なケースの選び方
- 作品同士がくっつく「癒着」などのトラブルを未然に防ぐテクニック
- 作りかけのレジン液や資材を劣化させずに長持ちさせる管理方法
劣化させないレジン作品の保管方法の基本
レジン作品を長く楽しむためには、まず敵を知ることが大切です。ここでは、レジンがなぜ劣化してしまうのか、その主な原因である「光」や「湿気」との付き合い方について解説します。ちょっとした環境の違いで、数年後の作品の状態が劇的に変わりますよ。
紫外線による黄変を防ぐ場所選び

レジン作品にとって最大の敵とも言えるのが「紫外線」です。透明だった作品が黄色く変色してしまう「黄変(おうへん)」は、一度起こると元に戻すことができません。これはレジンのポリマー構造が紫外線のエネルギーを吸収して切断され、酸化することで変色原因となる物質が生成されるために起こります。
「直射日光に当てなければ大丈夫でしょ?」と思われがちですが、実はそれだけでは不十分なんです。窓から入ってくる散乱光や、室内の蛍光灯に含まれる微量な紫外線でも、長い時間をかければ確実に劣化は進みます。特に、窓際に作品を飾りっぱなしにしていると、紫外線だけでなく温度変化の影響も受けやすくなり、劣化のスピードが加速してしまいます。
理想的な保管場所の条件
保管場所のベストな条件は、「光を完全に遮断できる暗所」です。透明なディスプレイケースに入れて棚に飾るのは見た目には素敵ですが、長期保存を最優先に考えるなら、中身が見えない引き出しの中や、蓋つきの不透明な箱に入れるのが一番です。
もしお部屋に飾りたい場合は、UVカット機能がついたアクリルケース(紫外線吸収剤が配合されたもの)を選んだり、直射日光が絶対に入らない部屋の北側に配置したりする工夫が必要です。また、撮影用ライトやデスクライトの直下も意外と紫外線が強いことがあるので、長時間の放置は避けましょう。
光による劣化を防ぐポイント
- 完全遮光が理想:透明なケースよりも、不透明な箱や引き出しの中が安全です。
- 蛍光灯も注意:室内の明かりにも微量の紫外線が含まれています。
- 飾りたい場合:UVカット機能付きのケースや、窓から離れた場所を選びましょう。
湿気によるベタつきへの対処法

次に気をつけたいのが「湿気」です。久しぶりにケースを開けたら、作品の表面がなんとなく曇っていたり、ペタペタしたりしていたことはありませんか?これは湿気による影響が大きいんです。
レジンは樹脂なので、水分を嫌います。特に梅雨の時期や、湿気がこもりやすい場所で保管していると、表面が空気中の水分を吸着してしまい、白く濁ったり(ブラッシング現象)、内部に残っていた未硬化成分が表面に滲み出してベタつきが再発したりすることがあります。
除湿剤を活用しよう
対策としては、湿度が50%以下の環境を保つことが理想です。密閉できるタッパーなどの容器に、お菓子についてくるような「シリカゲル(乾燥剤)」を一緒に入れておくのが手軽で効果的です。シリカゲルは100円ショップでも購入できます。
ただし、乾燥させすぎも良くないので、時々は蓋を開けて空気を入れ替えてあげてくださいね。特に梅雨時は、除湿機のある部屋で保管するなど、湿度管理に気を使うだけで表面の輝きが持続します。
作品がケースにくっつく原因と対策

「久しぶりに作品を取り出そうとしたら、ケースの底にくっついて取れない!」というトラブル、実はこれ、かなり多くの作家さんが経験している怖い現象なんです。
原因は、レジンとケースの素材の相性にあります。レジン作品、特に硬化がわずかに不十分なものや、表面の成分が安定していないものは、特定のプラスチック素材(特にポリスチレンやABS樹脂など)と接触し続けると化学反応を起こして溶着(癒着)してしまうんです。
可塑剤の移行によるトラブル
これは、プラスチックに含まれる「可塑剤(かそざい)」という成分が、接触しているレジン側に移動(移行)したり、逆にレジンの成分がケースを侵したりすることで起こります。まるで溶けて一体化したようになり、無理に剥がそうとすると作品が欠けたり、ケースの跡がべったり付いてしまったりします。
この悲劇を防ぐための鉄則は、「材質を確認すること」に尽きます。後ほど詳しく解説しますが、基本的には「ポリプロピレン(PP)」製のケースを選ぶことで、このリスクを回避できます。逆に、透明で硬いプラスチックケース(ポリスチレン製など)に直置きするのは避けたほうが無難です。
大切な作品を長持ちさせる手入れ

保管する前の「ひと手間」も非常に重要です。身につけていたアクセサリーには、目に見えなくても汗や皮脂、日焼け止めや化粧品の成分が付着しています。これらは酸性だったり油分を含んでいたりするため、そのまま放置するとレジンの表面コーティングをじわじわと侵食し、曇りや黄変を早める原因になります。
正しいクリーニング方法
使用後は、柔らかい布で優しく汚れを拭き取る習慣をつけましょう。おすすめは、メガネ拭きやマイクロファイバークロスなどの繊維が細かい布です。ティッシュペーパーでゴシゴシ擦ると、細かい繊維傷がついて透明度が落ちてしまうので気をつけてくださいね。
また、水洗いは極力避けましょう。金属パーツが錆びる原因になるだけでなく、レジンと金属の隙間に水分が入り込むと、そこから剥離してしまう可能性があります。
注意:アルコール拭きは慎重に!
「綺麗にしたいから」といって、アルコール(エタノール)で頻繁に拭くのはおすすめしません。硬化したレジンに高濃度のアルコールを使うと、表面が白く曇ったり(ソルベントクラック)、内部に浸透してゴムのようにブヨブヨになったりする可能性があります。日常のお手入れは「乾拭き」が基本です。
未硬化レジン液の正しい保存環境
作品だけでなく、材料である「レジン液」自体の保管もしっかり管理しましょう。開封後のレジン液は、空気中の酸素や水分と触れることで徐々に劣化していきます。特に2液性レジンの硬化剤は酸化して黄色くなりやすいので注意が必要です。
基本は「冷暗所」での保管です。大手メーカーのパジコなども、直射日光を避け、温度が0〜25℃の暗所に密封して保管することを推奨しています(出典:株式会社パジコ『UV-LEDレジンについて』)。
直射日光が当たらないのはもちろん、温度が高くなる場所(夏の窓際や車内など)も避けてください。熱でレジン液が劣化したり、粘度が変わって使いにくくなったりします。冷蔵庫に入れる方もいますが、出し入れの際の温度差で結露が発生し、水分が混入するリスクがあるので、個人的には「家の中で一番涼しい部屋の引き出しの中」くらいが丁度いいかなと思います。
また、使いかけのボトルはキャップをしっかり閉めるのはもちろん、長期間使わない場合はボトルの口をラップで覆ってからキャップをするなどの工夫をすると、酸化を遅らせることができますよ。
100均で実践するレジン作品の保管方法
保管にお金をかけすぎるのも大変ですよね。幸いなことに、私たちの味方「100円ショップ」には、レジン保管にぴったりの優秀なアイテムがたくさんあります。ここでは、ダイソーやセリアなどのアイテムを使った賢い保管術と、絶対に気をつけるべき素材の選び方をご紹介します。
ダイソーやセリアの100均活用術
100均の収納コーナーに行くとワクワクしませんか?レジン作品の整理に特におすすめなのが、細かく仕切られたケース類です。
中でも、セリアやキャンドゥで取り扱いのある「SIKIRI(シキリ)」シリーズ(山田化学製)は、ハンドメイド作家の間ではもはや「神器」と言っても過言ではありません。仕切りの数が0、6、10、15、30、42と豊富で、スタッキング(積み重ね)もできるため、増え続ける作品を省スペースで収納できます。何より、このケースはレジンと癒着しにくいポリプロピレン素材で作られているのが最大の魅力です。
他にも、ダイソーのビーズ収納ケースやピルケースなど、個別に蓋が開くタイプも便利です。空気に触れる回数を減らせるので、酸化防止の観点からも理にかなっています。微細なパーツや、金具がついたピアスなどは、こういった小分けケースに入れるとチェーンが絡まなくて良いですね。
無印良品などの収納用品を使うコツ
シンプルで高品質な無印良品の収納用品も人気ですが、選ぶ際には少し注意が必要です。無印良品でよく見かける透明度が高くて美しい「アクリルケース」や「スチロール仕切りスタンド」。これらは見た目は最高なのですが、そのままレジン作品を直置きするのは避けたほうが安全です。
アクリル(PMMA)やスチロール樹脂(PS)は、レジンと長時間接触していると張り付いてしまうことがあります。特に夏場の暑い時期などは要注意です。もし無印のケースを使うなら、半透明の「ポリプロピレン(PP)」素材の引き出しケースを選ぶのが正解です。これなら化学的に安定しているので、安心して作品を放り込んでおけます。
「どうしても透明なアクリルケースに飾りたい!」という場合は、底に一枚紙を敷いたり、後述するシリコンマットをカットして敷いたりして、作品とケースが直接触れないように工夫しましょう。
癒着を防ぐポリプロピレン素材とは

先ほどから何度も出ている「ポリプロピレン(PP)」という言葉。これがレジン保管におけるキーワードです。ポリプロピレンは耐薬品性が高く、他の物質とくっつきにくい性質を持っています。レジン液のボトル自体もこの素材で作られていることが多いですね。
見分け方は簡単です。ケースの底や裏面に貼ってあるシールや刻印を探してみてください。「PP」というマークや「材質:ポリプロピレン」という表記があれば合格です。この素材のケースなら、基本的にレジン作品が溶けてくっつく心配はありません。
| 素材名 | 略号 | レジンとの相性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ポリプロピレン | PP | ◎ 最適 | 半透明で柔らかい。癒着しにくく安全。 |
| ポリエチレン | PE | ◎ 最適 | チャック袋など。薬品に強い。 |
| ポリスチレン | PS | × 注意 | 透明で硬い。癒着しやすいので直置きNG。 |
| アクリル | PMMA | △ 注意 | 透明度が高い。長期接触で張り付く可能性あり。 |
逆に、透明度が非常に高く、叩くと「カンカン」と高い音がする硬いケースは、PSやアクリルである可能性が高いので、必ず表示を確認する癖をつけましょう。
ポリスチレン製ケース使用時の注意
一方で、絶対に注意してほしいのが「ポリスチレン(PS / スチロール樹脂)」です。100均のディスプレイケースや標本箱など、透明でカチッとした硬いプラスチックケースによく使われています。
このポリスチレン素材は、レジン(特に硬化が甘い部分)と反応しやすく、時間が経つと作品がケースにめり込んだり、ケースの表面が溶けて作品にまとわりついたりする「癒着」トラブルの最大要因となります。「透明で見栄えが良いから」と選んでしまいがちですが、直置きは非常に危険です。
どうしてもPSケースを使いたい時は?
デザインが気に入ってPSケースを使いたい場合は、底に「PETフィルム」(OHPフィルムやラミネートフィルムなど)や、「シリコンマット」を敷きましょう。これらを一枚挟むだけで、癒着のリスクを回避できます。紙やフェルトでも代用できますが、紙の種類によっては紙の繊維がレジンにくっつくこともあるので、つるっとしたフィルム系が一番安心です。
長く楽しむためのレジン作品の保管方法

レジン作品の保管は、単に「片付ける」ことではなく、「作品の寿命を延ばす」ための大切なプロセスです。最後に、これまでのポイントを振り返りながら、今日からできることをまとめます。
- 遮光・冷暗所:紫外線と熱を避けるため、引き出しや箱の中で保管する。
- 湿気対策:湿度は50%以下が目安。乾燥剤を活用してベタつきを防ぐ。
- 材質確認:収納ケースは「ポリプロピレン(PP)」製を選ぶ。「ポリスチレン(PS)」は避けるか敷物をする。
- 使用後のケア:しまう前にはメガネ拭きなどで汗や皮脂を優しく拭き取る。
せっかく心を込めて作った作品や、お気に入りの作家さんから購入した作品。正しい知識で守ってあげれば、数年経っても美しい輝きを楽しめます。「作って終わり」ではなく、「保管までが作品作り」という気持ちで、ぜひ環境を見直してみてくださいね。


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