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こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
キラキラした透明感が魅力のレジン作品を作るのは本当に楽しい時間ですが、どうしても気になってしまうのが独特のあの「匂い」ですよね。「作業をしている部屋に匂いが充満して家族に指摘されてしまった」「換気をしているつもりでも、なかなか部屋から匂いが取れない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、作業中にうっかり手についたレジンの匂いが落ちなかったり、服についた時の対処法がわからずに焦ってしまうこともありますよね。さらに、長く作業をしていると頭痛や吐き気、アレルギーのような不調を感じて、「このまま続けて大丈夫かな?」と不安になることもあるかもしれません。
実は、空気清浄機に関する効果的な使い方や、安全に楽しむための正しい対策を知っておくことは、長くレジンを楽しむためにとても大切です。今回は、そんなレジンの匂いに関する悩みを解消するために、私が実践している具体的な方法やプロから学んだコツをわかりやすく紹介していきますね。
- 正しい換気方法と空気清浄機の選び方で部屋の匂いを劇的に減らすコツ
- 手や服にレジンがついてしまった時の安全で効果的な対処法
- 作品のベタつきや残留臭を防ぐための材料選びと硬化テクニック
- 頭痛やアレルギーのリスクを下げて安全にレジンを楽しむための予防策
部屋の換気等でレジンの匂いを消す方法
まずは、作業環境の匂い対策から始めましょう。レジンの匂いは部屋にこもりやすく、対策をしないとカーテンや壁紙に吸着してしまい、作業をしていない時でも匂う「残留臭」の原因になります。快適なアトリエを作るために、私が実践している換気や空間作りのポイントを詳しくお話ししますね。
匂いの原因と正しい換気

レジンのあの独特な匂い、実は揮発性有機化合物(VOCs)と呼ばれる成分が原因なんです。少し難しそうな言葉ですが、要は「常温でも気体になって空気中に漂う化学成分」がたくさん含まれているということですね。特にレジン液が固まる時、化学反応で熱が出ると同時にこの成分が一気に揮発するので、硬化中が一番臭くなりやすいんです。
そこで大事なのが「換気」なんですが、ただ窓を全開にするだけでは不十分なこともあります。風がない日は空気が入れ替わらないからです。私が強くおすすめしたいのは、空気の通り道を強制的に作る「プッシュプル換気」という方法です。

効果的なプッシュプル換気のやり方
- 排気(Pull / 出す): 作業台のすぐ近く、できれば手元に「換気扇」や「塗装ブース」を設置して、汚れた空気が部屋に広がる前に吸い込んで外へ出します。窓用の換気扇なども有効です。
- 給気(Push / 入れる): 排気する分と同じ量の空気を部屋に入れる必要があります。部屋の対角線上にある窓やドアを10cmほど開けて、新鮮な空気を取り込みます。
- 位置取り(超重要): 自分自身が「風上」に立つことが大切です。新鮮な空気が自分の背中から来て、呼吸域(顔)を通り過ぎ、作業台を通って換気扇へ抜ける「一方向の流れ」を作ると、匂いを吸い込まずに済みますよ。
よく扇風機やサーキュレーターを使う方がいますが、作業台に向けて風を当てると、汚染された空気を部屋中に撹拌(かくはん)してしまうことになるので逆効果です。扇風機を使うなら、窓の外に向けて排気を助けるように使いましょう。
空気清浄機による部屋の対策
「空気清浄機を置いているから大丈夫!」と思っていませんか?実は、一般的な家庭用空気清浄機(主に花粉やホコリを取るHEPAフィルター搭載機)では、レジンのガス状の匂い成分(VOCs)は素通りしてしまい、ほとんど取れないんです。
匂い対策として導入するなら、必ず「活性炭フィルター」が入った脱臭特化型のものを選ぶ必要があります。活性炭には目に見えない微細な穴が無数に開いていて、そこに匂いのガス分子を物理的に吸着して閉じ込めてくれるんです。
フィルター選びのポイント

空気清浄機を選ぶ際は、以下の表を参考にしてみてください。
| フィルターの種類 | レジン臭への効果 | 特徴 |
|---|---|---|
| HEPA/集塵フィルター | ×(ほぼ無効) | 花粉やホコリ用。ガスは通過する。 |
| 薄型活性炭フィルター | △(気休め程度) | 表面積が小さく、すぐに飽和して匂いが戻る。 |
| 粒状活性炭フィルター | ◎(非常に有効) | 重たいほど活性炭が入っているタイプ。強力に脱臭。 |
活性炭の寿命に注意
活性炭はずっと使えるわけではありません。穴がいっぱいになると「破過(はか)」といって、それ以上匂いを吸わなくなります。レジン作業を頻繁にする場合は、メーカー推奨期間よりも早め(3ヶ月〜半年など)に交換するのが鉄則ですよ。
匂いの少ないレジン液の選び方

どんなに換気をしても匂いがキツイ場合、もしかしたら使っているレジン液そのものが原因かもしれません。レジン液の品質はピンキリで、配合されている成分によって匂いの強さが全く異なります。
最近はメーカーさんの技術向上ですごく低臭なレジン液も増えていますが、安価な輸入品などの中には、精製度が低く、鼻にツンとくる溶剤臭や刺激臭が強いものも結構あります。これらは不純物や低分子のモノマーが多く含まれていることが多いんです。
私が実際にいろいろ使ってみて「これは本当に匂いが少ない!」と感動したのは、パジコの「星の雫」やエルベールの「パーフェクトレジン」あたりですね。これらは「低臭気」を売りにしているだけあって、作業中の快適さが段違いです。
匂いに敏感な方や、ペットやお子さんがいるご家庭では、成分の精製度が低い安価なレジンは避けたほうが無難かなと思います。「材料選びは、自分自身の健康を守るための投資」だと割り切って、少し良いものを使うのが解決への近道です。
匂いが取れない時の完全硬化
「作品は完成したはずなのに、いつまでも匂いが取れない…」という経験はありませんか?それは多くの場合、内部や表面が完全に固まりきっていない「硬化不足」が原因である可能性が高いです。
レジンは見かけ上カチカチに固まっていても、分子レベルではまだ化学反応が終わっておらず、内部に液体の成分が残っていることがあります。そこから少しずつガスが出てきているんですね。特にUVライトの光が当たりにくい裏側や、厚みのある作品の中心部、顔料を多く混ぜた濃い色の作品などは要注意です。
完全硬化させて匂いを断つコツ
- 多面照射:作品を裏返したり、横からライトを当てたりして、全方位から光を届ける。
- 二次硬化(ポストキュア):ライトでの硬化が終わった後、直射日光の当たる窓辺に半日〜1日ほど置いてじっくり反応を進める。
- 枯らし期間:完成後すぐに密閉容器に入れず、風通しの良い日陰で数日間置いて、残留溶剤を完全に「揮発させる(枯らす)」期間を設ける。
特に「枯らし期間」を設けるだけで、完成後の作品の匂いは劇的に少なくなりますよ。
作品のベタつきをなくす工夫

レジンの表面がなんとなくベタベタして指紋がついたり、そこから匂いがしたりする現象。これは「酸素阻害(さんそそがい)」といって、空気に触れている表面のレジンだけが、空気中の酸素に邪魔されてうまく固まらない性質によるものです。このベタベタ層(未硬化層)には、揮発成分がたっぷり残っているので、ずっと臭い続ける原因になります。
これを防ぐためには、照射パワーの強いライトを使うことはもちろんですが、実は「湿度管理」も重要です。湿度が高いとレジン表面が水分を吸ってしまい、硬化不良によるベタつきや白濁が起きやすくなります。
エアコンの除湿機能や除湿機を使って、部屋の湿度を50%以下くらいに保つと、驚くほどカチッとクリアに固まりやすくなります。雨の日などは特に意識してみてください。
もしベタつきが残ってしまったら、いつまでもライトを当てるのではなく、レジン専用のクリーナーや無水エタノールを含ませたキッチンペーパーでサッと拭き取るか、上からコーティングをして封じ込めるのが正解です。
手や服についたレジンの匂いを消す方法
次は、身体や持ち物にレジンがついてしまった時の対処法です。実はここが一番重要で、間違った洗い方をすると肌荒れや深刻なアレルギーのリスクを高めてしまうこともあるんです。正しい知識で身を守りましょう。
手についた時の安全な洗い方
作業中にうっかり指にレジンがついた時、どうしていますか?一番やってはいけないのが、アルコール除菌シートや除光液(アセトン)でゴシゴシ拭き取ることなんです。

【重要】アルコールでの拭き取りはNG!
アルコールやアセトンなどの有機溶剤は、皮膚を守っているバリア(皮脂膜)を溶かしてしまいます。その結果、溶けて小さくなったレジン成分が肌の奥(角質層)まで入り込みやすくなり、アレルギーを引き起こす準備状態(感作)を作ってしまうんです。
私のおすすめは、物理的に汚れを落とす「スクラブ洗浄」です。もし手元に工業用のスクラブ入りハンドクリーナーがない場合は、家庭にあるもので簡単に代用できますよ。
家庭にあるものでできるスクラブ洗浄法
- まず、乾いたキッチンペーパーやティッシュで、肌を強く擦らないようにそっとレジン液を吸い取ります。
- 普通の食器用洗剤やハンドソープに、少しだけ「砂糖」や「塩」を混ぜて、ザラザラしたペーストを作ります。
- それを汚れた部分に乗せて、優しく揉み込むように洗います(砂糖や塩の粒子が研磨剤となって、指紋に入ったレジンを絡め取ってくれます)。
- 最後にぬるま湯でヌルつきがなくなるまでしっかり洗い流し、ハンドクリームで保湿ケアをします。
この方法なら、肌のバリア機能を守りつつ、あの独特なヌルヌルや匂いをスッキリ落とすことができます。
服についたレジンの対処法
お気に入りの服にレジンがついてしまった時は本当にショックですよね…。正直なところ、繊維の奥まで毛細管現象で染み込んでしまったレジンを完全に取るのは、プロでもかなり難しいです。
まだ固まっていない液状の状態なら、汚れた部分の裏側にいらない布(当て布)をし、表から無水エタノールを含ませた布でトントンと叩くようにして、汚れを下の布に移し取る方法があります。ただ、これも完全に取れるとは限りませんし、生地によっては輪染みになることもあります。
もしUVライトが当たって固まってしまった場合は、残念ながら諦めるのが一番安全かもしれません。無理に剥がそうとすると生地が破れますし、アセトンなどの強力な溶剤で溶かそうとすると、ポリエステルなどの化学繊維は一緒に溶けてしまうからです。
私は過去に服をダメにした経験から、レジンをする時は、万が一汚れてもいい「作業専用のエプロンや服」に必ず着替えるようにしています。これが最強の対策ですね。
コーティングで匂いを防ぐ
完成した作品からほんのり匂いがする場合、表面全体をコーティング剤で覆って「封止(ふうし)」してしまうのが効果的です。物理的に膜を作って、匂いを内側に閉じ込めてしまうわけですね。
手軽なマニキュアのトップコートを使う方もいますが、種類によっては溶剤がレジンを溶かしてしまい、逆にベタつきが悪化したり、黄ばみの原因になったりすることも…。
やはり、レジン専用のコーティング剤(パジコの「レジュコ」など)を使うのが安心です。これらはレジンの上に塗ることを前提に開発されているので、相性が良く、ガラスのようにカチカチに固まります。手触りもツルツルになって指紋もつきにくくなりますし、匂いもピタッと止まりますよ。
頭痛やアレルギーの予防策
レジンの匂いを長時間嗅ぎ続けていると、頭痛がしたり、喉がイガイガしたり、気分が悪くなったりすることがあります。これは体が「換気して!」「これ以上吸い込まないで!」とサインを出している証拠です。少しでも異変を感じたら、無理をして作業を続けるのは絶対に禁物です。
私の体調管理ルール
- こまめな休憩:1時間に1回は必ず部屋を出て、外の空気を吸う休憩タイムを作ります。
- 異変を感じたら即中止:「もう少しで完成だから」と無理をせず、その日の作業はスパッと切り上げます。
- ゾーニング(隔離):ペットや小さなお子さんがいるリビングなどでは絶対に作業しません。作業部屋と生活空間を分けることが、家族の健康を守るためにも重要です。
匂いがするということは、揮発成分を吸い込んでいるということ。レジンアレルギーはある日突然発症することもあるので、「自分は大丈夫」と思わずに予防することが大切です。
化学物質の取り扱いについては、公的な情報も参考になります。厚生労働省のサイトなどでも、有機溶剤に対する注意喚起がなされていますので、一度目を通しておくと良いかもしれません。 (出典:厚生労働省『職場のあんぜんサイト』)
防毒マスク等の毒性対策

「家で趣味でやるだけなのに、ガスマスクなんて大袈裟かな?」と思うかもしれませんが、私は匂いが強い作業をする時や、大きな作品を作って大量に硬化させる時は、必ず「防毒マスク」を着けるようにしています。
よくある白い「不織布マスク」や「ウレタンマスク」では、粒子(ホコリ)は防げても、ガス状の成分(VOCs)は繊維の隙間を素通りしてしまうんです。ホームセンターなどで2,000円〜3,000円程度で売っている「有機溶剤用の吸収缶」がついた防毒マスクなら、活性炭がガスを吸着してくれるので、装着した瞬間に匂いを全く感じなくなります。これには本当に驚きました!
また、手袋も100均の薄いビニール手袋やポリエチレン手袋ではなく、耐薬品性が高くて手にフィットする「ニトリルゴム手袋」を選ぶのがおすすめです。自分の体を守るためのアイテムには、しっかりこだわっていきたいですね。
安全にレジンの匂いを消す方法まとめ

今回は、レジンの気になる匂いを消す方法について、部屋の環境作りから手や服への対策まで幅広くご紹介しました。完全に無臭にするのは難しいレジンですが、正しい知識を持って対策すれば、不快感を大幅に減らすことができます。
記事のまとめ
- 換気はプッシュプル方式で:空気の入り口(給気)と出口(排気)を意識して、風上から風下へ流れる一方向の気流を作る。
- 材料選びが重要:「星の雫」などの低臭タイプのレジン液を選んだり、活性炭入りの強力な空気清浄機を活用する。
- 完全硬化を目指す:多面照射や二次硬化、枯らし期間を設けて、匂いの元となる未硬化部分を徹底的になくす。
- 肌についたらスクラブ洗浄:アルコールは使わず、砂糖や塩を混ぜた洗剤で物理的に洗い流す。
- 防毒マスクの検討:匂いを吸い込まないことが一番の健康対策。有機溶剤用のマスクは効果絶大。
レジンは本当に奥が深くて楽しい趣味です。匂いやアレルギーへの不安を解消して、これからも長く、安全に創作活動を楽しんでいきましょう!この記事が、あなたの快適なレジンライフのヒントになれば嬉しいです。

免責事項
本記事の情報は、一般的な知識や私個人の経験に基づくものです。使用するレジン液の種類や作業環境によって効果は異なります。また、体調に異変を感じた場合は直ちに作業を中止し、換気を行った上で医師の診断を受けてください。最終的な判断は専門家にご相談いただくようお願いいたします。

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