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こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
今回は、レジンを楽しんでいる多くの作家さんが一度はぶつかる高い壁、「レジンの濃い色が固まらない」という深刻な問題について徹底的に解説します。
黒猫のモチーフや、宇宙塗りの深い青、シックなマットカラーなど、濃い色は作品のクオリティを一気に高めてくれますよね。私も初めて黒いレジンに挑戦したとき、「よし、これでカッコいい作品ができる!」と意気込んでライトに当てたんです。
でも、規定の時間待ってから取り出してみると……表面はベタベタ、型から外すと中からドロリとした液体が流れ出し、せっかくのモールドまで汚れてしまったという苦い経験があります。「ライトが壊れたのかな?」と疑いましたが、実はそうではありませんでした。

濃い色のレジンには、透明なレジンとは全く異なる「物理的な難しさ」があります。でも安心してください。その仕組みさえ理解してしまえば、誰でもカチカチに固めることができるようになります。
この記事では、なぜ濃い色だけが失敗するのかという科学的な理由から、私が実践している失敗知らずのテクニック、そしておすすめの道具までを網羅しました。
- 濃い色のレジンが固まらない「光と化学反応」の意外な関係
- 「ベタベタ」「シワ」「中が生焼け」それぞれの原因と具体的な解決策
- 失敗してしまった作品を無駄にしないための救済措置と安全な廃棄方法
- 技術不足をカバーしてくれる、濃い色に強いレジン液やライトの選び方
レジンの濃い色が固まらない原因とメカニズム
「透明なレジンと同じようにやっているのに、なぜ?」という疑問を解消するために、まずは敵を知ることから始めましょう。レジンが固まる仕組みと、濃い色がそれをどう邪魔しているのか、そのメカニズムを少し詳しく紐解いていきます。
表面がベタベタして取れない原因
ライトをしっかり当てたはずなのに、いつまでも表面がペタペタして指紋がつく。これは「硬化不足」の一種ですが、単にライトが弱いだけが原因ではありません。
この現象の最大の犯人は、空気中に存在する「酸素」です。
UVレジンやLEDレジンは、「ラジカル重合」という化学反応で液体から固体へと変化します。ライトの光エネルギーを受けて「ラジカル」という元気な粒が生まれ、それが手をつなぎ合って固まるイメージです。しかし、酸素にはこのラジカルを食べてしまう(反応を阻害する)性質があります。
これを専門用語で「酸素阻害(さんそそがい)」と呼びます。

透明なレジンの場合、光が奥までガンガン通るので、酸素に食べられる以上に大量のラジカルが発生し、一気に固まることができます。しかし、濃い色のレジンはどうでしょうか。
濃い色の弱点
顔料が光を邪魔するため、発生するラジカルの量が少なくなります。「ラジカルの発生量 < 酸素による妨害」という力関係になってしまい、特に空気に触れている表面部分だけがいつまでも固まりきらず、ベタベタの膜として残ってしまうのです。
表面にシワができる原因と硬化熱
次に多いトラブルが、表面に梅干しのような、あるいは脳みそのような不気味なシワが寄ってしまう現象です。ツルツルの表面を期待していたのに、これではガッカリですよね。
このシワは、レジンが固まるときに発生する「熱(硬化熱)」と、それに伴う「急激な収縮」が原因で起こります。
特に黒や濃紺などの濃い色は、光(紫外線や赤外線)を吸収しやすい性質を持っています。黒い服を着ていると太陽光で熱くなるのと同じ原理で、レジン液自体の温度が照射と同時に急上昇します。

すると、以下のような悪循環が起こります。
- 強い光を当てることで、レジンが急激に発熱・反応する。
- 一番光が当たっている「表面」だけが、一瞬で固まって縮む(体積が減る)。
- しかし、内部はまだ液体のままで、熱で膨張しようとしている。
- 先に固まった表面の薄い膜が、内部の動きに耐えきれず、行き場をなくしてグニャリと波打つ。
これがシワの正体です。つまり、「早く固めたいから」といって最初から強い光を当てすぎることこそが、シワを作る原因になってしまっているのです。
中が固まらないのは光の透過不足
表面はカチカチでシワもない。よし成功だ!と思ってモールドから外そうとした瞬間、「ブチュッ」と中から未硬化のレジンが飛び出してくる。これは最も掃除が大変で、精神的ダメージも大きい失敗パターンです。
なぜ表面だけ固まって中が液体のままなのか。それは単純に、「光が底まで届いていないから」です。
レジン液は、光が届いた場所しか固まりません。透明なレジンであれば、光は水を通過するように底まで到達します。しかし、濃い色の顔料は光にとっての「壁」です。

例えば、濃いグレーのレジン液があったとします。光は表面から1mm、2mmと進むごとに、顔料にぶつかってエネルギーを失っていきます。これを「光の減衰」といいます。そして、ある深さ(例えば3mm地点)で光のパワーがゼロになってしまうと、そこから先は永遠に固まりません。
厚塗りの罠
「長くライトを当てれば、いつかは固まるだろう」というのは間違いです。光が届いていない場所は、1時間当てても1日当てても、液体のままです。
黒いレジンが光を吸収する仕組み
数ある色の中でも、特に「黒(ブラック)」は難易度が別格です。
理科の授業で習ったかもしれませんが、私たちが「黒い」と感じる物体は、光を反射せず、すべて吸収しているから黒く見えます。これはレジン硬化においては致命的な特性です。
レジンを固めるために照射したUVライトやLEDライトの光エネルギーを、黒い顔料(カーボンブラックなど)が「硬化反応」に使われる前に横取りして吸収し、単なる「熱エネルギー」に変えてしまうのです。
その結果、レジンはめちゃくちゃ熱くなるのに全然固まらない、という悲しい現象が起きます。黒いレジンを扱う際は、透明レジンとは全く別の素材だというくらいの認識で挑む必要があります。
硬化時間の目安とライトの波長
では、具体的にどのくらいの時間照射すればよいのでしょうか。また、どんなライトを使えばよいのでしょうか。
使用するライトのパワーやレジンの種類にもよりますが、透明レジンと比較した一般的な目安を以下の表にまとめました。
| 項目 | 透明レジン | 濃い色レジン(黒など) |
|---|---|---|
| 硬化時間(目安) | 30秒 〜 1分 | 2分 〜 5分(またはそれ以上) |
| 一度に流す厚み | 5mm 〜 10mm程度まで可 | 2mm 〜 3mmが限界 |
| 推奨ライト | UV / LED どちらでも可 | ハイブリッド(UV-LED)推奨 |
重要なのは「時間」だけでなく「波長」です。最近の主流はLED(405nm)ですが、もし古いUVライト(365nm・蛍光管タイプ)を使っている場合、濃い色の硬化はかなり厳しいかもしれません。
LEDの光は直進性が強く、パワーも強いため、濃い色の壁を突き破って奥まで届く力がUVライトよりも強い傾向にあります。
ライト選びに迷っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。>>レジンUVライト強力おすすめ!硬化不良を防ぐ選び方と決定版
レジンの濃い色が固まらない時の対策と解決策

原因がわかれば、対策は立てられます。ここからは、私が数々の失敗作を生み出した末にたどり着いた、「確実に固めるための具体的な解決策」をご紹介します。
失敗した硬化不良レジンの復活方法
まずは、今まさに目の前にある「失敗してしまった作品」の処遇についてです。「もう捨てるしかないの?」と諦める前に、以下の方法をチェックしてみてください。
ケース1:表面だけがベタつく場合
中身は固まっている(押してもブニブニしない)けれど、表面だけがいつまでもベタベタしている場合。これはリカバリー可能です。
- 未硬化レジンの拭き取り:無水エタノールやレジンクリーナーを含ませたキッチンペーパーで、表面のベタベタを優しく拭き取ります。これだけで解決することもありますが、表面が曇ってしまうことが多いです。
- コーティングで封印:拭き取った後、あるいは拭き取らずにそのまま、上から「コーティング用レジン」や「透明なレジン」を薄く塗り重ねて、再度しっかり硬化させます。これでベタつきを閉じ込め、ツヤツヤに仕上げることができます。
ケース2:中から液体が出てきた場合
残念ながら、これは基本的に「作り直し」をおすすめします。表面にドリルで穴を開けて中身を洗い流し、再度レジンを注入するという「中抜き手術」のような方法もありますが、非常に手間がかかる上、内側の汚れが取れずに仕上がりが汚くなるリスクが高いです。
材料はもったいないですが、その失敗を教訓にして、次は失敗しない方法で最初から作り直した方が、結果的に時間もストレスも少なくて済みます。
濃い色におすすめのレジン液と選び方
技術でカバーする前に、そもそも「固まりやすい材料」を使うことが成功への一番の近道です。特に、自分で色を作る「調色」には落とし穴があります。
透明なレジン液に、100均や手芸店で買った着色剤(液体顔料やパウダー)を混ぜて黒を作ろうとすると、どうしても色が薄くて満足できず、着色剤をドバドバ入れてしまいがちです。レジン液に対する着色剤の量が多すぎると、化学的に硬化不良を起こし、どうやっても固まらない「謎の液体」が完成してしまいます。
絶対に失敗したくないなら「カラーレジン」
メーカーがあらかじめ最適なバランスで調色してくれている「着色済みレジン(カラーレジン)」を使いましょう。作家のためのレジンの着色剤はレジン液そのものをベースに作られているため硬化不良が起きにくくなっています。
>>作家のためのレジンの着色剤レビュー|違いと使い方を解説
確実に固めるための具体的な対策
手持ちのレジン液や着色剤を使って、今すぐどうにかしたい!という方へ。物理法則に則った、最強の硬化テクニックを3つ伝授します。
1. ミルフィーユ硬化法(薄塗り積層)

これが最も確実で、王道の対策です。面倒くさがらずに、層を分けて固めます。 例えば1cmの厚みの作品を作るなら、一度に流すのではなく、2mm〜3mmずつ、3回〜4回に分けて硬化させます。
- 1層目を流す → 硬化
- 2層目を流す → 硬化
- 3層目を流す → 硬化
薄い層であれば、濃い色でも光が底まで届きます。「急がば回れ」こそが、濃い色レジンの鉄則です。
2. 遠ざけ照射(シワ防止)

シワの原因である「急激な発熱」を防ぐためのテクニックです。 いきなりライトの中に作品を入れるのではなく、最初はライトを手で持ち、作品から10cm〜20cmほど離した位置から光を当てます。
弱い光を当てることで、反応をゆっくりスタートさせます。30秒ほど「じわじわ」当てて表面が少し落ち着いてから、徐々にライトを近づけて本硬化させます。これでシワのリスクは激減します。
3. 360度リフレクション

光が当たらない死角をなくす作戦です。 特にモールドの側面や底面は、濃い色だと光が届きにくい場所です。そこで、アルミホイルをくしゃくしゃにして広げた箱の中に作品を置いて照射します。
アルミホイルの乱反射によって、上からの光が横や下からも回り込み、あらゆる角度からレジンを攻撃(硬化)してくれます。もちろん、透明なモールドを使うのは絶対条件ですし、硬化の途中でモールドをひっくり返して裏から照射するのも忘れずに行いましょう。
未硬化レジンの安全な捨て方

最後に、失敗してしまった作品や、拭き取りに使ったティッシュなどのゴミの処理についてです。
ここで一番やってはいけないこと、それは「水洗い」です。硬化していないレジン液は化学物質であり、水に流すと環境汚染につながります。また、排水管の中で固まって詰まりの原因になることもあります。
正しい捨て方のステップ
- 失敗した作品や、レジンを拭き取ったティッシュなどを、小袋や透明なトレイにまとめる。
- 天気の良い日にベランダや窓辺に出し、日光(紫外線)に当てて完全に硬化させる。
- カチカチに固まったことを確認してから、お住まいの自治体の区分(燃えるゴミや不燃ゴミ)に従って廃棄する。
レジン液の取り扱いや廃棄方法については、メーカーである株式会社パジコの公式サイトでも注意喚起がされています。安全に楽しむためにも、一度目を通しておくと安心です。 (出典:株式会社パジコ「UV-LEDレジンについて よくあるご質問」)
また、レジンクラフトで使用する容器についたベタベタの落とし方などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>レジン容器の洗い方!水洗いNGな理由と道具を長持ちさせるコツ
レジンの濃い色が固まらない対処法のまとめ
今回は、「レジン 濃い色 固まらない」という多くの作家さんが抱える悩みについて、原因と対策を深掘りしてきました。
濃い色は確かに扱いが難しいですが、決して「運任せ」ではありません。物理的な原因を理解し、適切な手順を踏めば必ず成功します。
- 原因を理解する:光が届かない「遮光」と、表面を邪魔する「酸素」が二大要因。
- 薄く重ねる:面倒でも「ミルフィーユ硬化(積層)」が最強の解決策。
- 道具を選ぶ:着色済みレジンやハイブリッドライトなど、濃い色に強い道具を使う。
- 焦らない:遠くからじわじわ当てて、硬化熱によるシワを防ぐ。
黒や濃い色の作品がバシッと決まった時の、あの重厚感とプロっぽい仕上がりは、苦労してでも作る価値があります。今回ご紹介したテクニックを使って、ぜひ皆さんも「失敗知らずの濃色レジンマスター」を目指してくださいね!
無駄な買い物はしたくない人へ。初心者が最低限揃えるべきレジン道具まとめ!



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