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こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
レジン作品が硬化した後、「ちょっと形を整えたいな」「バリが気になる…」と思って、レジン硬化後のカット方法を検索されたんじゃないかなと思います。
でも、硬化したレジンってカチカチですよね。いざカッターやニッパーを使おうとしても、全然切れなかったり、変なところが割れるんじゃないかって不安になるかも。
私も最初は、力任せに削るしかなくて、作品の断面が白くなるし、どうやって透明にするのか悩みました。
この記事では、硬化したレジンのバリ取りはもちろん、ルーターなどで削る方法、そしてカットした面をピカピカに仕上げる磨き方まで、私が試してきたコツを紹介していきますね。
- レジンのバリ取りに適した道具とコツ
- 電動ルーターを使った安全な削り方
- カット面が白くなる理由と透明にする磨き方
- カット作業で割れる原因と安全対策
「レジンの硬化後のカット」の基本と道具
まずは、「硬化したレジンって本当にカットできるの?」という疑問からお答えしますね。使う道具と、作業の目的をはっきりさせることが最初のステップです。目的によって「カット」の意味合いが、バリ取りレベルから、本格的な「切削」まで変わってきますからね。
レジンはカットできる?3つの課題

結論から言うと、硬化したレジンはカットも加工もできます!
ただ、紙を切るみたいにハサミでサクッとはいかないんですよね…。私も最初は「硬すぎ!」って驚きました。硬化後のレジン加工には、大きく3つの「課題」があるかなと思います。
これらを「大変だな…」と思うんじゃなくて、「そういうものなんだ」って事前に知っておくだけで、失敗はぐっと減るはずです。
レジン加工の3つの課題
- 1. 硬さ(加工が大変) 特にハードタイプのUVレジンや、しっかり硬化した2液性エポキシレジンは、本当にカチカチ。プラスチックというより、もはや硬い石に近い感覚かも。生半可なカッターでは刃が立たないことが多いです。
- 2. 割れ・欠け(脆さ) 「硬い」のに「脆(もろ)い」。これがレジンの難しいところですよね。ガラスみたいに、ある一点に強い力がかかると、切れるんじゃなくて「パリン!」と割れちゃうことがあります。特に薄い部分や、穴あけの瞬間は要注意です。
- 3. 白化・曇り(仕上げの問題) そして、ここが最大の難関かも。カッターやヤスリでカットしたり削ったりした断面は、例外なく、必ず真っ白に曇ってしまいます。
でも安心してください!この「白化」は、レジンが変質しちゃったとか、失敗したとかじゃないんです。これは仕上げのための「必然的な通過点」なんです。正しい手順で磨けば、ちゃんと元の透明感を取り戻せますからね!
バリ取りはカッターやニッパーで

レジン作品で一番多い「カット」作業が、モールド(型)からはみ出して硬化しちゃった、薄い「バリ」の処理ですよね。
薄いバリであれば、デザインナイフや、プラモデル用の「バリ取りカッター」「回転リーマー」といった専用工具が便利です。この時、大事なのは「切る」んじゃなくて「削ぐ」というイメージ。
刃を作品本体との境界に当てて、力を入れすぎずにスーッと滑らせるようにスライドさせると、本体を傷つけずにバリだけを薄く削ぎ取れたりします。ナイフをペンのように持つと力が入りすぎなくて、私は微細なコントロールがしやすいかなと思います。
ちょっと厚みのあるバリや、シリコンモールドの「湯口(レジンを流し込むところ)」が固まった部分なんかは、先にニッパーで大まかにパチンとカットしちゃいます。そのあと、切り口の段差を金属ヤスリで滑らかに整える、という流れですね。
カッターやニッパーの注意点
カッターの刃は、硬いレジンに負けてすぐに欠けやすいので、無理は禁物です。刃こぼれした刃で作業を続けると、余計な力が入って危険ですし、作品も傷つけてしまいます。
また、ニッパーで一気に力を入れるのもNG。さっきの「割れ」や「欠け」の最大の原因になります。特に冷えて硬くなっているレジンに使うと、思ったところと全然違う場所が割れることも…。少しずつ、様子を見ながらカットするのがおすすめです。
UVレジンは加熱してカット

「ハードタイプのUVレジンが硬すぎて、カッターが全然入らない!」って時に、私がよくやる裏技的な方法です。
これはUVレジン(ハードタイプ)限定の方法になっちゃうかもですが、UVレジンって「熱可塑性(ねつかそせい)」といって、熱で少し柔らかくなる性質があるんですよね。
そこで、エンボスヒーター(スタンプ用のヒーターですね)で、硬化したUVレジンのカットしたい部分を数秒間、少し温めます。(ドライヤーは風圧が強すぎて作品が飛んでいっちゃうし、熱が分散するのでちょっと使いにくいかも…)
そうすると、レジンが一時的にグニャッと、ソフトタイプみたいに少し柔らかくなるんです。
その柔らかくなっている「熱いうちに」、ハサミやカッターでカット!
びっくりするくらいサクッと切れますよ。硬い時には歯が立たなかったバリも、簡単に切り取れます。
どのようなエンボスヒーターがおすすめかは>>レジンエンボスヒーターおすすめ機種と選び方の記事に詳しく書いています!
加熱カットの最重要注意点
この裏技には、絶対に守らないといけない注意点があります。
- 冷却による割れ: 最大の注意点は、冷めるとすぐに元の硬さに戻ることです。冷めて硬くなった状態で無理に切ろうとすると、ほぼ確実に「割れ」や「欠け」が発生します…。作業は手早く行う必要があります。
- 加熱しすぎの弊害: 加熱しすぎるとレジンがベトベトになって、ハサミや道具にくっついてしまったり、最悪変形したりします。適度な加熱に留めるのがコツです。
- 安全確保(火傷注意): 加熱したレジンは結構高温になります。火傷防止のために軍手や耐熱手袋を着用し、破片が飛散する可能性も考えて保護メガネも必ず着用してください。
※ちなみに、この方法は2液性エポキシレジンにはあまり効果がありません。あちらは「熱硬化性」といって、一度固まると熱を加えても軟化しにくい性質なので、ご注意くださいね。
エンボスヒーターはレジン液の気泡を消す作業にも役立ちます!>>レジンの気泡の抜き方|原因別の消し方と道具まとめや>>レジン気泡抜きはドライヤーでOK?正しい使い方とコツの記事で詳しく説明しています!
削る作業はルーターが必須

バリ取りの範囲を超えて、レジンブロックの形を大きく変えたいとか、厚みのあるパーツをしっかり削り込んで成形したい、という場合。
こういう時は、もう手作業のヤスリでは限界があるかなと思います…。時間がかかりすぎますし、均一に削るのも難しいです。
そういう時は、ミニルーター(リューター)の出番ですね。電動工具です。
先端のビット(アタッチメント)を高速回転させて、対象物を「削る」道具です。ビットを付け替えることで、色々な作業ができて本当に便利ですよ。
ルーターでできること(ビット交換)
- 研削: ダイヤモンドビットや砥石ビットで、ガリガリ削って形を作れます。
- 切断: 薄い円盤状のカッタービットを使えば、厚みのあるレジンも切断できます。
- 穴あけ: ドリルビットを付ければ、電動ドリルとして使えます。
- 艶出し: 羊毛バフや布バフにコンパウンドをつければ、研磨の最終仕上げ(艶出し)も可能です。
プロクソン(PROXXON)さんやドレメル(Dremel)さんの製品が定番として有名ですよね。しっかり作業したいならパワーのあるコード式、手軽さ重視ならコードレスタイプ、みたいに選ぶと良いかなと思います。私も最初は手軽なコードレスで始めました!
ただし!本当に便利な道具ですが、電動工具は手作業とは比べ物にならないくらい大量のレジン粉塵が発生します。これは健康に良くないので、安全対策については、後のセクションでしっかり解説しますね!
どんなルーター(リューター)がおすすめかは>>レジン研磨におすすめのルーター選び【徹底ガイド】の記事に詳しく書いてあります!
穴あけで割れる原因と対策

アクセサリーにするためにヒートン(金具)を通す穴を開けるのも、立派な「カット(穿孔)」作業の一つですよね。
使う道具は、主に2つ。
- ピンバイス: 手動で精密な穴を開けるための道具。
- ミニルーター: さっきのルーターにドリルビットを付けて、電動で開ける方法。
| 道具 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| ピンバイス(手動) | ゆっくり作業できる 摩擦熱が起きにくい 割れのリスクが低い | 時間がかかる 硬いレジンだと手が疲れる |
| ミニルーター(電動) | 素早く穴が開けられる 力が要らない | 摩擦熱と圧力で割れやすい 粉塵が飛散しやすい |
ここでよくある失敗が、穴あけの途中で作品にヒビが入ったり、割れたりすること…。私もこれで大事な作品をダメにしたことがあります。
これは、ドリルの回転によって生じる「摩擦熱」と「圧力」が主な原因です。
対策としては、とにかく一気に力を加えて開けようとしないこと。特に電動のルーターを使う場合は、ドリルを低速で回転させるか、オン・オフを繰り返すようにして、少し掘ったら抜く、を繰り返して熱を逃がしながら作業するのがコツです。
また、摩擦熱を抑えるために、開けたい場所に少量の水やアルコールを一滴垂らして、冷却・潤滑しながら作業するのも、割れを防ぐのに有効みたいですよ。
穴あけの詳しいコツや、ヒートンの取り付け方については、>>レジンキーホルダーの穴あけ方法|道具とコツを全解説や>>レジンキーホルダー金具の付け方と種類を徹底解説の記事でも紹介しているので、よかったら参考にしてみてください。
「レジンの硬化後のカット」断面の仕上げ
さて、ここからが本番です!カットしたり削ったりして真っ白になってしまった断面を、どうやって元の透明な輝きに戻すのか。その全プロセスを紹介しますね。ここが一番大変ですが、一番やりがいのある作業かもしれません。
カット面が白くなる理由とは

カットしたり、ヤスリで削ったりした面が白く曇ってしまう…。初めてこれを体験すると、「あ、失敗した!もう元に戻らないかも…」って不安になりますよね。
でも、これはレジンが化学変化を起こしたとか、素材が劣化しちゃったとかじゃ、全然ないんです。
理由はすごくシンプルで、表面に無数の「微細な傷」がついたから。
レジンの表面がツルツルだと光がまっすぐ通り抜けるので、私たちの目には「透明」に見えます。でも、カットや研磨で表面が傷だらけでデコボコになると、光がそこであちこちに乱反射しちゃいます。これが「白く曇った」状態、つまり「すりガラス」と同じ原理ですね。
ということは、解決策もシンプル。この無数の傷を全部なくして、表面をもう一度、鏡みたいにツルツル(鏡面仕上げ)にすれば、光はまたまっすぐ通り抜けるようになって、透明度は必ず回復するんです!
研磨の正しい磨き方

じゃあ、どうやってツルツルにするかというと、「研磨(けんま)」、つまり地道に「磨く」作業です。
研磨の基本概念は、「粗いヤスリでついた傷を、それよりも細かいヤスリの傷で置き換えていく」作業の繰り返しです。大きな傷を、だんだん小さな傷に変えていって、最後は肉眼で見えないレベルの傷にする、というイメージですね。
この「磨き」のプロセスはすごく奥が深くて、私もまだまだ勉強中ですが、基本的な手順は確立されています。より詳しいテクニックや色々な道具については、>>レジン研磨の教科書|曇りや傷を消すコツの記事で、さらに詳しく解説しています。
ステップ1:研削(ヤスリがけ)
まずはカッターやニッパー、ルーターでできた大きな段差や深い傷を、金属ヤスリ(平ヤスリ、丸ヤスリ、組ヤスリなど)で平らにします。ここで形を整えちゃう感じです。
この段階では表面はガタガタ、傷だらけで真っ白。でもこれが正常な状態。「これから磨いていくぞ」というスタートラインです。
ステップ2:研磨(耐水ペーパー)
ここからが研磨の本番です。金属ヤスリでついた粗い傷を消すために、耐水ペーパー(紙ヤスリ)を使います。
ここで絶対に守ってほしいのが、必ず「水研ぎ(みずとぎ)」をすること!
「水研ぎ」の3大メリット
- 1. 安全: これが一番大事!粉塵の飛び散りを劇的に抑えられます。(安全対策上、超重要です)
- 2. 品質: ヤスリの目に削りカスが詰まるのを防いで、効率的かつ均一にキレイに磨けます。
- 3. 保護: 摩擦熱の発生を防いで、レジンへのダメージや、作業中の手の火傷(摩擦熱って結構熱いんです)を防げます。
耐水ペーパーには「番手(ばんて)」という目の粗さを示す数字(#400とか#1000とか)が書いてあります。数字が小さいほど粗く、大きいほど細かくなります。
研磨の最大のルールは、必ず「小さい数字(粗い)」から「大きい数字(細かい)」へ順番に使うこと。飛ばしちゃダメです。
| ステップ | ツール | 目的 | 仕上がりの目安(表面の状態) |
|---|---|---|---|
| 0. カット直後 | カッター, ニッパー | バリ取り・成形 | 深い傷や段差がある。透明感ゼロ。 |
| 1. 研削 | 金属ヤスリ | 大きな段差や傷の除去 | 傷が均一化するが、非常に粗く真っ白。 |
| 2. 研磨 (粗) | 耐水ペーパー (#240~#600) | ヤスリの傷を消し、表面を平滑に | 全体が均一な「すりガラス」状。まだ白く不透明。 |
| 3. 研磨 (細) | 耐水ペーパー (#1000~#2000) | 粗いペーパー傷を微細な傷に | サテンのような半光沢。うっすら透明感が出始める。 |
どこまで細かくするかは求める仕上がりによりますが、次のコンパウンド作業を楽にするためにも、最低でも#1500〜#2000までは必要かなと思います。#10000とか、フィルムヤスリの超細かいところまで磨き上げると、もうそれだけでピカピカになることもありますね。
研磨の最重要コツ
研磨で失敗する(=磨いても透明にならない)一番の原因は、「前の番手の傷が消えてないのに、次の番手に進んじゃう」こと、これに尽きます。
例えば、#400の傷が残ったまま#1000で磨いても、その#400の深い傷は#1000のヤスリでは永遠に消えません。
面倒でも、各番手で「現在使っている番手よりも粗い傷が、表面からすべて消えるまで」磨き続けること。これが研磨の成否を分ける最大のポイントです。
コツとしては、一方向(例えばタテ)だけで磨くとムラが出やすいので、タテ・ヨコ・ナナメと、方向を変えながら磨くと均一に仕上がりますよ。力任せにゴシゴシするのではなく、ペーパーの研磨力を信じて、優しくなでるように磨くのがいいかなと思います。
透明にするコンパウンド仕上げ

耐水ペーパーの#2000くらいまで磨き終わると、表面はサテン生地みたいに「半光沢」な感じになっているはず。透明感もうっすら見えてきていると思います。
ここから、最後の鏡のような輝きを出すために「コンパウンド(研磨剤)」を使います。これは、耐水ペーパーでついたごくごく微細な研磨傷をさらに消し去る、最終仕上げですね。
コンパウンドもヤスリと同じで、「粗目」→「細目」→「仕上げ目(極細)」みたいに、粗いものから細かいものへ順番に使っていくのが基本です。(製品によっては2段階だったりします)
柔らかい布(着古したTシャツの切れ端とか、メガネ拭きとか、専用のクロス)に、まず「粗目」のコンパウンドを少量つけ、優しく円を描くように磨きます。終わったらキレイな布で拭き取って、次に「細目」、最後に「仕上げ目」…という流れですね。
ティッシュは絶対ダメ!
ここで注意!ティッシュペーパーで磨くのは絶対にダメです!「柔らかそう」って思うかもしれませんが、ティッシュの紙繊維って意外と硬くて研磨力があるんです。せっかくここまで細かく磨いたレジンが、逆にティッシュの繊維で傷だらけになっちゃいますよ!
もし、コンパウンドで一生懸命磨いても曇りが取れない…という場合。その原因はほぼ100%、ステップ2(耐水ペーパー)の研磨が不十分であることが原因です。どこかの段階で、前の番手の傷が消し切れていません。
すごく面倒に感じるかもですが、その場合は勇気を持って、粗い番手の耐水ペーパー(例えば#1000とか#1500)に戻って、研磨をやり直す必要があります。結局それが一番の近道だったりします。
穴にコンパウンドが詰まったら?
穴あけした部分や、細かい溝にコンパウンドが入り込んで白く詰まってしまうことがあります。これは、つまようじや竹串などで、作品に傷をつけないように優しく取り除いてあげてください。
コーティング剤で艶を出す方法

「正直、耐水ペーパーで#2000まで磨いて、そこからコンパウンド3種類もかけるなんて、時間も手間もかかりすぎる…」
わかります。私もそう思う時があります(笑)。
そういう時は、研磨作業を少し簡略化する方法として、専用のコーティング剤を塗っちゃうのもアリです。これはこれで立派な仕上げ方法の一つですね。
この方法は、傷を「磨いて消す」んじゃなくて、透明な液(UVレジン液や専用の溶剤)で「傷のデコボコを埋めて」表面を滑らかにし、光沢を出すものです。
使い方は主に2パターンあります。
- 研磨の代替(時短)として 耐水ペーパーである程度の番手(例えば#1000〜#1500くらい)まで磨いて、すりガラス状態を脱したかな、というところで、コンパウンド作業の代わりにコーティング剤を塗布して仕上げます。手軽に強い光沢が出ます。
- 最終仕上げとして コンパウンドで完璧に磨き上げた上の、最終的なツヤ出しと表面保護として塗布します。輝きがさらに増す感じですね。
「フィニッシュプロ・グロッシー」とか、パジコさんの「星の雫」のグロス/マットコートとか、清原さんの「レジン コーティング液」とか、色々なメーカーさんから専用のコーティング剤が販売されています。マニキュアみたいにハケ(ブラシ)が付属しているタイプは、手軽に塗布できて便利ですよ。
レジンのコーティング剤は専用の高いものだけでなく、100均にも販売されています!この>>レジンコーティング剤【100均】徹底比較と使い方の記事に詳しく書いてあります。
安全な粉塵対策と削りカス処理

レジンクラフト、特に削る作業は楽しいんですが、安全対策だけは本当に大事なので、ここはちょっと真面目にお話しさせてください。私も最初はあまり意識していなかったんですが、知れば知るほど「これはちゃんとやらないと」と思うようになりました。
レジンをカットしたり、特にルーターで削った時に出る「粉塵(削りカス)」、これ、ただのホコリじゃありません。
硬化したレジンとはいえ、その微細な粉塵はプラスチックの粒子です。多くのレジン液の原料には、アレルギー反応を引き起こす可能性のある化学物質が含まれています。
この粉塵を吸い込んじゃうと、呼吸器系の問題とか、一度発症すると治りにくいと言われる化学物質過敏症やアレルギー性皮膚炎(感作)を引き起こすリスクがあると聞いたことがあります。予防がすごく大事です。
最低限守りたい安全対策(優先度順)
安全対策には優先順位があります。一番いいのは「危険なものを出さない」ことですね。
- 優先度【高】:発生源対策(水研ぎ) だからこそ、さっきから何度も言っている耐水ペーパーの「水研ぎ」。これは粉塵の飛散をほぼゼロにできる、一番効果的で優先すべき安全対策です!
- 優先度【中】:個人用保護具(PPE) 電動ルーターを使う時や、やむを得ず乾式(空研ぎ)で削る場合は、粉塵が絶対に飛び散ります。この時は、以下の保護具が必須です。
- 防塵マスク: 一般的な家庭用マスクやサージカルマスクでは、微細なレジン粉塵を防ぐことはできません。必ず、N95または日本の国家検定規格であるDS2といった、微粒子を捕集できる規格の「防じんマスク」を使用してください。(参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト「呼吸用保護具」)
- 保護メガネ: カット時の破片や、研磨中の粉塵が目に入るのを防ぐために、必ず保護メガネを着用してください。
- 推奨:手袋と換気 皮膚からアレルギー物質に触れること(感作)を防ぐため、ニトリル手袋などを着用することが推奨されます。もちろん、作業中は窓を開ける、換気扇を回すなど、十分な換気もお願いします。
削りカスの処理(最重要)
安全な作業は、後片付けまで含まれます。
水研ぎで出た「泥状の削りカス」や、それを含んだ水、乾いた粉塵を拭き取ったティッシュなどは、絶対に排水溝に流さないでください! 未硬化のレジンはもちろん、硬化したレジンのカスも、水生生物に対して強い毒性を示す可能性があり、深刻な環境汚染の原因になるそうです。
これらは全部、新聞紙などに広げて、太陽光やUVライトで完全に硬化させて(水分を飛ばして)から、無害なプラスチックとして、「一般ゴミ(燃えるゴミまたはプラスチックゴミ)」として捨ててください。こちらの>>知らないと危険!レジン液の正しい捨て方と種類別処理方法を解説の記事でも詳しく説明しています!
※最終的なゴミの分類は、お住まいの自治体のルールに必ず従ってくださいね!
安全に関する情報はとても重要です。作業の際は、使用するレジン液の安全データシート(MSDS)を確認したり、専門家の情報を参照したりするなど、ご自身で最終的な判断と安全管理をお願いします。
「レジンの硬化後のカット」成功の鍵

ここまでお疲れ様でした!「レジン 硬化後 カット」という作業について、道具選びから仕上げの磨き、そして一番大事な安全対策まで、色々とお話ししてきました。
この一連の作業を成功させる鍵は、私なりにまとめると以下の3つかなと思います。
「レジンの硬化後のカット」作業 成功の鍵
- 1. 「白化」を恐れないこと カットや研磨による「白化」は失敗ではありません。それは透明度を回復するための「必然的な通過点」です。白くなることを恐れずに、しっかり形を整えましょう。
- 2. 研磨のルールを地道に守ること 仕上げの最大の難関である研磨は、近道はありません。「①必ず粗い番手から細かい番手へ順番に行う」「②(安全のためにも)水研ぎを徹底する」「③次の番手に移る前に、前の番手の傷を完全に消す」。このルールを守れば、必ず透明感は戻ってきます。
- 3. 安全対策を最優先にすること レジン粉塵は、想像以上に健康に有害な可能性があります。「水研ぎ」を最優先の安全対策とし、電動工具使用時は「N95/DS2規格の防塵マスク」と「保護メガネ」を必ず着用してください。
硬化したレジンのカットは、最初は戸惑うことも多いかもしれません。でも、道具と手順、そして安全ルールさえ間違えなければ、決して難しい作業ではありません。
むしろ、この仕上げ作業をマスターすることで、作品のクオリティをもう一段階、二段階とアップさせることができる、大切な仕上げ作業ですね。
ぜひ安全に気をつけて、レジンクラフトを楽しんでください!
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