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こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
レジンで黒色を作ろうとした時、「なんだかうまく固まらない…」「中がベタベタする」なんて経験はありませんか?レジンクラフトで「黒」って、実はすごく難易度が高い色なんですよね。特に漆黒を目指すと、硬化しないトラブルが起きがちです。
私も昔、UVレジンで真っ黒なパーツを作ろうとして、着色剤をたっぷり入れた結果、表面以外まったく固まらなかった苦い経験があります…
この記事では、そんな「レジン黒色の作り方」で悩んでいる方のために、なぜ黒が硬化しないのかという理由から、透明な黒と不透明な漆黒のきれいな作り方、100均の着色剤やアクリル絵の具での代用はどうなのか、という点まで、私の経験や調べたことをまとめてみました。失敗しないためのコツさえ掴めば、かっこいい黒色作品が作れるようになりますよ。
- 黒色レジンが硬化不良を起こす根本的な原因
- 「透明な黒」と「漆黒」の作り分け方
- UVレジンとエポキシレジンそれぞれの注意点
- 代用品のリスクと、安全な「塗装」テクニック
完璧なレジンの黒色の作り方と課題
まず、黒色レジン作りの基本からおさえていきましょう。なぜ黒は他の色より難しいのか、そして「透明な黒」と「漆黒」では、作り方がまったく違うんです。それぞれの着色剤の選び方と、基本的な作り方のコツを見ていきますね。
黒レジンが硬化しない根本的な理由

黒レジン、特にUVレジンで失敗する最大の原因は、黒い「顔料」がUVライトの光を遮断してしまうからです。
UVレジンは、紫外線(UV光)が照射されることで「光重合反応」という化学反応が起きて固まります。しかし、不透明な黒色(漆黒)を作るための「顔料」の微細な粒子が、その大切な光をレジン液の表層で吸収・遮断してしまうんですね。
その結果、ライトが直接当たる表面だけが固まって、中は液体のまま(未硬化)…という典型的な「硬化不良」が起きてしまいます。表面は硬そうに見えても、型から外したら中身がドロリと出てきたり、表面がいつまでもベタベタしたりする、あの嫌な現象の正体です。
レジンタイプ別:硬化不良の主な原因
- UVレジンの場合: 黒い顔料の入れすぎによる「光の遮断」(物理的な問題)。
- エポキシレジンの場合: 光は不要ですが、「主剤と硬化剤の混合ムラ」や「水分・不純物の混入」による化学反応の阻害(化学的な問題)。
どちらのレジンを使うにしても、「黒」は他の色に比べて硬化不良と隣り合わせだ、と意識しておくことが大切かもしれません。
硬化不良の原因や硬化の時間については、>>レジンを固める時間を完全解説!失敗しないためのコツの記事でも詳しく解説していますので、よかったら参考にしてみてください。
UVレジンで黒を作る際の注意点

UVレジンで黒色、特に光を通さない「漆黒」を作りたい場合、最も重要で、ほぼ必須と言ってもいいテクニックが「積層(せきそう)」です。
これは、レジン液を薄い層に分けて、一層ずつ硬化させていく地道な方法ですね。「面倒だな」と感じるかもしれませんが、一度に分厚く作ろうとすると、前述の通り、光が内部まで届かず確実に失敗します。急がば回れ、ですね。
UVレジンで漆黒を作る「積層」の基本手順
- 着色したレジン液を、モールド(型)やミール皿に厚さ2〜3mm程度だけ流し込みます。(厚すぎは厳禁です!)
- UV/LEDライトを当てて、その薄い層を完全に硬化させます。この時、少し長めにライトを当てるくらいが安心かもしれません。
- その上から、再び着色レジン液を2〜3mm流し込み、またしっかりと硬化させます。
- 作りたい厚みになるまで、この作業をひたすら繰り返します。
この方法なら、UV光が届く範囲(2〜3mm)で確実に硬化させていけるので、内部が生焼け(未硬化)になるのを防げます。手間はかかりますが、これが漆黒を作る一番確実な道だと思いますよ。
黒レジン用着色剤の種類と選び方

黒色レジン作りを成功させるには、「どんな黒を作りたいか」をまず決めて、それに合わせて着色剤を選ぶことがめちゃくちゃ重要です。
着色剤には大きく分けて「染料」と「顔料」の2種類があり、仕上がりがまったく異なります。
染料(Dye)- 「透明な黒」を作る
レジン液に「溶ける」タイプの着色剤です。液体(リキッド)が一般的ですね。 仕上がりが透明(シアーブラック)になるのが最大の特徴です。サングラスや、スモーキーなグラデーションを作るのに適しています。
光を透過しやすい性質なので、後述する顔料に比べて硬化不良のリスクが格段に低いのが最大のメリットです。レジンクラフトでは定番の、パジコさんの「宝石の雫 ブラック」などがこのタイプにあたりますね。
顔料(Pigment)- 「不透明な黒」を作る
レジン液に「溶けず、細かい粒子が分散する」タイプの着色剤です。液体タイプとパウダー(粉末)タイプがあります。 仕上がりは不透明(漆黒、ミルキー、マット)になります。陶器のような光を通さない質感や、ジェットブラックを目指すならこちらですね。
ただし、何度も言うようですが、この「粒子」が光を遮断するため、UVレジンで使う際は硬化不良の最大の原因になります。隠れ工房GreenOceanさんの「極カラー 究極の黒」など、「不透明カラー」をウリにしている製品がこのタイプです。
作りたい黒に合わせて、この2種類をしっかり使い分けることが大切です。着色剤について、>>作家のためのレジンの着色剤レビュー|違いと使い方を解説でも紹介しています。
| 着色剤タイプ | 仕上がりの特徴 | UV硬化難易度 | 主な製品例 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 液体染料 | 透明な黒(シアー) | 低 | パジコ「宝石の雫」 | 色ムラに注意。濃い黒には多めの量が必要 |
| 液体顔料 | 不透明な黒(漆黒) | 高 | GreenOcean「極カラー」 | 硬化不良に最大注意。UVレジンでは積層が推奨 |
| 粉末顔料 | 不透明な黒(マット) | 高 | ピグメントパウダー | ダマや色ムラに注意。混ぜ方にコツがいる |
| パール・マイカ | パール調の黒 | 中 | パールパウダー | 顔料よりは光を通しやすいが、入れすぎに注意 |
透明な黒(シアー)の作り方

透明感のある「シアーブラック」や、グラデーションがかった「スモーキーカラー」は、比較的簡単に作れます。
使うのは「染料」タイプの液体着色剤(例:宝石の雫 ブラック)です。
一番のコツは、「着色剤は必ず1滴ずつ、薄い状態から調整する」ことです。これはもう、鉄則ですね。
調色パレット(シリコンカップなどが便利です)にレジン液を出したら、まず着色剤を1滴だけ垂らします。この時、ボトルの口に付いた液がドバっと入らないよう、慎重に。
そして、気泡が入らないようにスティックや爪楊枝で「静かに」「ゆっくり」均一になるまで混ぜます。壁面や底にも着色剤が残りやすいので、しっかりこすり取るように混ぜるのがポイントです。
もし色が薄ければ、もう1滴足して混ぜる…この作業を、好みの濃さになるまで繰り返します。
濃さ調整の注意点
一度濃くしすぎた色を、レジン液を追加して薄めるのはすごく大変です(意図せず大量のレジン液ができてしまいますし、均一に薄めるのも難しいです)。
必ず「あれ、ちょっと薄いかな?」と思うところからスタートしてください。この「滴定(てきてい)」のようなアプローチが、シアーカラー成功の鍵だと思います。
漆黒(不透明)の作り方:積層技術

さて、ここが最難関の「漆黒(光を通さない真っ黒)」です。これは「顔料」タイプの着色剤を使います。
ここで多くの初心者が(私も含めて)やりがちな失敗が、「真っ黒にしたい!」という気持ちが先行して、顔料をドバドバと大量に入れてしまうこと。これはもう、ほぼ100%硬化不良まっしぐらです…
漆黒を成功させるコツは、顔料の「量」ではなく「品質(着色力・濃度)」に頼ることです。
「極カラー」のような高濃度をうたった顔料は、本当に爪楊枝の先にほんの少し付けるだけで、驚くほど濃い黒になります。耳かき1杯でも多すぎるくらいです。
このアプローチには、大きなパラドックスの解決が含まれています。
漆黒製作のパラドックス
- 悪い例:「濃くしたい」→「顔料を多く入れる」→「光が遮断される」→「硬化不良」
- 良い例:「濃くしたい」→「高濃度な顔料を少量使う」→「光の遮断が最小限」→「硬化不良が起きにくい」
結果として、「少ない顔料で濃い黒が作れる」=「光の遮断が最小限で済む」=「硬化不良も起こしにくい」というわけですね。漆黒を目指す時ほど、着色剤の品質に投資するのが、失敗を減らす一番の近道かもしれません。
そして、UVレジンの場合は、先ほど(H3-2で)説明した「積層技術」が必須になります。高濃度顔料を「ごく少量」だけ使って着色したレジン液を、薄く、確実に硬化させていく。これが漆黒への一番確実なルートですね。
失敗しないレジン黒色の作り方と応用
ここからは、もう少し応用編です。エポキシレジン(2液性レジン)特有の注意点や、100均の着色剤、アクリル絵の具での代用といった、皆さんが気になりそうなポイントを掘り下げていきます。トラブル対策もしっかり見ていきましょう。
エポキシレジンでの黒色の混合法

エポキシレジン(2液性レジン)は、主剤(A液)と硬化剤(B液)の化学反応によって、時間をかけて(大体24〜48時間)硬化します。UVライトは使いません。
そのため、UVレジンの最大の敵であった「顔料による光の遮断」を心配する必要はなく、原理的には顔料をたっぷり入れても硬化します。分厚い作品も一度に作れるのが強みですね。
じゃあ簡単かというと、そうでもなくて…。エポキシレジンの命は「混合」です。ここで失敗すると、UVレジンとはまた違った硬化不良(ベタつきや部分的な未硬化)を引き起こします。
特に重要なのが「混ぜる順番」です。
エポキシレジンの着色・混合の鉄則
- まず「主剤(A液)」に着色剤(顔料でも染料でもOK)を入れます。
- ダマが完全になくなるまで、壁面や底をこそぎながら徹底的に混ぜて、均一な色のA液を作ります。
- 次に、規定量の「硬化剤(B液)」を正確に計って加えます。
- 再び、側面や底をしっかりこそぎ落とすように、徹底的に(ただし気泡が入りすぎないよう静かに)混ぜ合わせます。
この順序がすごく大事なんです。なぜなら、主剤と硬化剤は「厳密な化学反応の比率」で硬化するように設計されているから。先にA液とB液を混ぜてから着色剤を入れたりすると、その比率が崩れて、化学反応を阻害し、硬化不良の原因になることがあるんです。
また、エポキシは硬化に時間がかかるため、その間に比重の重い顔料が底に沈殿して、意図せず色ムラ(グラデーション)になってしまうことも…。対策として、少し時間をおいてレジンの粘度がある程度高まってから(攪拌から少し時間を置いてから)モールドに注ぐ、なんてテクニックもあるみたいですね。
100均の黒色着色剤は使える?

最近は100均(ダイソーさんやセリアさんなど)でもレジン用品が本当に充実していて、もちろん黒色の着色剤も売っていますよね。私も使ったことがあります。
結論から言うと、「使えます。ただし特性の理解が必要」という感じです。
私が以前確認したダイソーさんの「レジン着色剤(ブラック)」は、パッケージの成分表示に「顔料」と明記されていました。これはつまり、「透明なシアーブラック」ではなく、「不透明な黒」を作るための着色剤だということですね。
「顔料」であるということは、安価であっても、UVレジンで使う場合は、他の高価な専用顔料と同じ「硬化不良リスク」を伴うということです。
パッケージに「速乾UVレジン液に1〜2滴入れて使う」と、かなり少量での使用が指定されているのも、おそらくこの硬化不良リスクを避けるためのメーカーさんからの指導なんだろうな、と私は思っています。
安価で手軽に試せるのは大きな魅力ですが、「これは不透明になる顔料なんだ」という特性を理解した上で、 * UVレジンで使う時は、本当に1滴ずつ、ごく少量から試す。 * 濃い漆黒を目指すなら、面倒でも「積層」で対応する。 という使い方が良さそうですね。
アクリル絵の具で代用するリスク

「レジン専用の着色剤がないから、家にあるアクリル絵の具(黒)で代用できない?」と考える方もいると思います。私も昔、考えました。
これも結論から言うと、「技術的には可能ですが、非常にリスクが高く、非推奨」です。
アクリル絵の具も「顔料」系なので、仕上がりは不透明な黒になります。爪楊枝の先に米粒半分くらい、本当にごく微量でものすごく濃く色がつきます。
しかし、そこには専用品にはない、重大なリスクが潜んでいます。それは、色(顔料)そのものではなく、絵の具に含まれる「水分」や「溶剤、バインダー(結合剤)」といった不純物です。
【警告】代用品に含まれる不純物のリスク
レジン液、特にUVレジンは水分と非常に相性が悪いです。また、エポキシレジンも化学反応で硬化するため、不純物の混入は大敵です。
アクリル絵の具に含まれる微量な水分や、絵の具を紙などに定着させるための「バインダー(結合剤)」といった不純物がレジン液に混入すると、レジンの化学反応を阻害し、硬化不良(ベタつき)の深刻な原因となります。
レジン専用の着色剤は、こうしたレジンの硬化を阻害する不純物を排除して、レジン液と安全に混ざるように設計されています。(出典:株式会社パジコレジン着色剤)
安全に、大切な作品をきれいに仕上げるためには、やはり専用品を使うのが一番安心ですね。
※これは安全や品質に関する重要な情報です。代用品の使用は、あくまで自己責任の範囲で、これらのリスクを理解した上でご判断ください。
黒色のアイシャドウ(パウダー)で代用する方法もありますが、これも同様です。化粧品には粉を固めるための油分やバインダーが含まれている可能性があり、それが硬化不良を引き起こす可能性があります。もし使うとしても、不純物の少ない「ルースパウダー」タイプの方がまだ安全かもしれませんが、やはりリスクは伴いますね。
アクリル絵の具をレジンに使用する際の注意点は>>レジンを絵の具で色付け!失敗しないコツと代用法の記事にも詳しく書かれています。
黒レジンの色ムラを防ぐコツ

硬化不良の次に多い失敗が「色ムラ」かなと思います。硬化した後に、よく見ると色がまだらになっていたり、濃淡ができてしまったりする状態ですね。
原因はシンプルで、「攪拌(かくはん)不足」です。特に顔料パウダーを使った時はダマになりやすく、液体タイプでも容器の底や側面に濃い部分が残りやすいので要注意です。
ここで多くの人が直面するのが、「混合のパラドックス」です。
- 「色ムラを防ぐために、徹底的に混ぜたい」
- 「でも、速く混ぜすぎると気泡が大量に入って困る」
- 「(エポキシの場合)混ぜすぎも硬化不足の原因になることがあって怖い」
このジレンマの解決策は、「速く泡立てるように混ぜる」のではなく、「(気泡が入りにくいよう)ゆっくりと、しかし(ムラがなくなるまで)執拗に」混ぜることです。
調色スティックで、シリコンカップなどの容器の側面や底に付着した着色剤を、何度も何度もこそぎ落としながら、レジン液全体が均一な色になるまで、時間をかけて丁寧に攪拌する…。地味ですが、これが色ムラを防ぐ唯一の方法だと思います。
塗装で仕上げる確実な方法

ここまで「レジンに色を混ぜる」という前提でお話ししてきましたが、実は、「漆黒」を作りたい場合、硬化不良のあらゆるリスクを完全にゼロにする、もっと安全で確実な方法があります。
それは、「レジンに色を混ぜるのではなく、硬化後に塗装する」というアプローチです。
塗装で「黒」を作るテクニック
- まず、色を混ぜない「透明なレジン」、または「白色のレジン」(白は顔料ですが下地として優秀です)で、作りたい作品の形を完全に硬化させます。
- 完全に硬化した作品の表面に、黒色のアクリル絵の具や模型用塗料、カラージェルなどを筆やエアブラシで塗布します。
- (オプション)塗装の食い付きを良くするために、先に「ジェッソ」などの下地剤を塗る手法も有効です。
- (オプション)塗装が剥がれないよう、上から再度「透明な」レジンを薄くコーティングして硬化させます。これでレジン特有のツヤツヤ(グロス)仕上げにもなりますし、塗装面が保護されます。
この方法なら、レジン液自体は透明(または白)なので、顔料による光の遮断という硬化不良の心配は一切ありません。特にUVレジンで漆黒の小物を作りたい場合、造形作家さんやプロの方も採用する、最も安全で確実なテクニックの一つですよ。
まとめ:レジン黒色の作り方5つの鍵

「レジン 黒色 作り方」と検索した方が直面する課題は、単なる色の調合の難しさではなく、「どうやって硬化不良を避けるか」という化学的・物理的な問題点に尽きると思います。
今回の内容を、これから黒色作品を成功させるための「5つの鍵」としてまとめてみますね。
黒色レジン成功のための5つのポイント
黒は難しい色ですが、これらの技術的な背景と対策さえ押さえれば、失敗はぐっと減らせるはずです。ぜひ、かっこいい黒色レジン作品作りにチャレンジしてみてくださいね!
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