※本記事はプロモーションが含まれています。
こんにちは。気まぐれレジン便り、運営者の「TOMO」です。
一生懸命作ったレジン作品、形を整えようとやすりをかけたら、一瞬で真っ白に曇ってしまって焦った経験はありませんか。せっかくの透明感が失われると、失敗してしまったのではないかと不安になりますよね。「もう元に戻らないんじゃないか…」とドキドキしてしまう気持ち、痛いほどよくわかります。

実は、研磨による曇りの原因の多くは表面的な傷によるもので、正しい手順を踏めばピカピカに戻せます。曇りは失敗ではなく、輝きを得るための通過儀礼のようなものなんです。一方で、水分や硬化不良といった内部的な要因や、100均アイテムや歯磨き粉を使った身近な対処法の良し悪しを知っておくことも大切です。
この記事では、コンパウンドでの仕上げを含め、透明度を取り戻すための具体的な方法を、私の経験を交えながら一緒に見ていきましょう。
- やすりがけでレジンが白く曇ってしまう物理的なメカニズム
- 透明度を取り戻すための正しいやすりの番手と手順
- 100均グッズやコンパウンドを使った具体的な修復テクニック
- 磨いても直らない場合に試すべきコーティングによるリカバリー法
レジンがやすりで曇る原因と基本

「やすりをかけたら作品が台無しになってしまった」と落ち込む前に、まずはなぜ曇るのか、その仕組みを理解しておきましょう。曇りは失敗ではなく、ピカピカにするための通過点であることがほとんどです。焦らず原因を知れば、対処法も自然と見えてきますよ。
研磨で表面が白くなる物理的要因
透明だったレジンがやすりをかけた瞬間に白くなるのは、実は「傷」が原因です。化学変化を起こしたわけではなく、表面の形状が変わっただけなのです。
光の乱反射(拡散反射)の正体

つるつるの表面は光をまっすぐに通したり、鏡のように一定方向に反射させたりするため、私たちの目には「透明」や「光沢」として映ります。しかし、やすりで削ると表面に無数の細かい傷が刻まれます。このデコボコした表面に光が当たると、光があちこちの方向にバラバラに散らばってしまう現象が起きます。これを「乱反射(拡散反射)」と呼びます。
この乱反射した光が、人間の目には「白く曇っている」ように見える原因です。冬の窓ガラスが結露で曇るのも、微細な水滴で光が乱反射しているからですね。
すりガラスの原理と同じ
すりガラスを想像してみてください。あれは表面をわざとザラザラにして向こう側を見えなくしていますが、水をかけると一時的に透明になりますよね。あれは水が凹凸を埋めて、光が直進できるようになるからです。レジンの研磨も同じで、荒らしてしまった表面の傷を限りなく小さくしていくことで、再び透明な状態に戻すことができます。
つまり、今あなたが目にしている曇りは「まだ傷が深く、光が散乱している状態」なだけで、作品自体がダメになったわけではありません。ここから傷を細かくしていけば、必ず透明感は戻ってきますので安心してください。
やすりの順番と番手の正しい選び方

傷を消すためには、ただひたすら磨けばいいというわけではありません。「番手(グリット)」と呼ばれるやすりの粗さを、階段を降りるように段階的に細かくしていく必要があります。
研磨の基本ルールは、「前の工程でついた深い傷を、より細かい浅い傷で置き換えていく」ことです。これを飛ばしてしまうと、いつまで経っても曇りが取れません。
研磨で使用する道具に関してはこちらの>>レジン研磨におすすめのルーター選び【徹底ガイド】の記事もおすすめです!
推奨される番手の移行ステップ
一般的に、レジン研磨では以下のようなステップを踏みます。
| 研磨ステージ | 番手 (JIS規格) | 表面の状態 | 目的と作業内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階:成形 | #240 – #600 | 真っ白(不透明) | バリ取りや、大きな形状修正を行います。ここで一番深い傷が入ります。 |
| 第2段階:粗研磨 | #800 – #1000 | すりガラス状 | 第1段階でついた深い傷を消し、表面全体を均一な曇り状態にします。 |
| 第3段階:中研磨 | #1200 – #1500 | 半透明 | 徐々に透明感が出始めます。表面を平滑にし、仕上げの準備を整えます。 |
| 第4段階:仕上げ前 | #2000 – #3000 | 半光沢(サテン) | コンパウンドへ移行するための最終調整です。ここまでやるとかなり綺麗です。 |
いきなり細かいやすり(#2000など)を使っても、その前についた深い傷(#400など)は消せません。深い谷底を埋めることはできないからです。面倒に感じるかもしれませんが、少しずつ番手を上げていくのが、結果的に最短で透明にするコツです。
水をつけて削る水研ぎの重要性

レジンを削るとき、乾いた状態でゴシゴシやっていませんか?実はそれ、曇りの原因を増やしているかもしれません。レジン研磨において、水をつけて削る「水研ぎ」は必須のテクニックと言っても過言ではありません。
なぜ水をつけなければならないのか
理由は主に2つあります。
- 摩擦熱の抑制: レジンはプラスチックの一種なので熱に弱いです。乾いたまま高速で削ると摩擦熱が発生し、レジンが溶けてしまいます。溶けたレジンが削りカスとして表面に再付着(焼き付き)すると、取れない汚れや新たな曇りの原因になります。
- 目詰まりの防止: 水が削りカスを常に洗い流してくれるので、やすりの「目」が詰まりにくくなります。目が詰まったやすりで無理に削ると、不規則で深い傷が入ってしまい、後で修正するのが大変になります。
耐水ペーパーを使う際は、必ず水をつけながら、力を入れすぎずに優しく削るようにしましょう。また、レジンの粉塵を吸い込むリスクも減らせるので、健康面でも水研ぎが推奨されます。
削る前から曇っている失敗の正体
「そもそも削る前から曇っている」「表面じゃなくて中の方が白っぽい」という場合は、残念ながら研磨では直せない「内部的な失敗」の可能性があります。
表面をどれだけ磨いても解決しない、主な原因は以下の通りです。
1. 水分の混入による白化
レジン液にとって水分は大敵です。硬化前のレジンに湿気や水分が混ざると、硬化するプロセスで水と油のように分離し、微細な水滴として内部に残ります。これが光を散乱させ、牛乳のように白く濁ってしまいます。この「白化」は内部全体に及んでいるため、リカバリーは非常に困難です。
2. 硬化不良(未硬化)
UVライトの光が弱かったり、照射時間が足りなかったりすると、化学反応が不完全でポリマー構造がうまく作れず、曇ったような仕上がりになります。特にライトの寿命でUV出力が落ちていることに気づかず、「いつも通りやったのに曇る」というケースが多いです。
3. モールド表面の転写
これは失敗ではありませんが、よくある勘違いです。レジンは接している面の形をナノレベルで転写します。使ったシリコンモールドの内側がピカピカの「鏡面仕上げ」ではなく、ザラザラの「マット(つや消し)仕上げ」だった場合、レジンもそのまま曇りガラス状に固まります。この場合は、今回紹介する研磨やコーティングを行うことで、透明にすることが可能です。
傷が消えない時の見直しポイント
一生懸命磨いているのに、なかなか透明にならない、あるいは光にかざすと細かい傷が残って見える。そんな時は、手順のどこかに穴があります。勇気を持って前の工程に戻ることが解決への近道です。
一番多い失敗パターン:
#2000まで磨いたのに曇っている場合、実は#2000の傷ではなく、その前の#600や#800の段階でつけた「深い傷」が消しきれずに残っていることが多いです。
細かいやすりやコンパウンドには、深い傷を削り落とす力はありません。もし仕上がりに納得がいかない時は、一旦#800〜#1000くらいに戻って、深い傷をしっかり消してから再度手順を進めてみてください。「急がば回れ」は、レジン研磨のためにある言葉かもしれません。
レジンがやすりで曇る時の解決策

ここからは、実際に曇ってしまったレジンをピカピカの鏡面仕上げに戻すための、具体的なアイテムとテクニックをご紹介します。プロが使う道具から、身近な代用品まで幅広く見ていきましょう。
100均の爪磨きで代用する方法
「趣味で少し作るだけだから、あまり道具にお金をかけたくない」という方には、ダイソーやセリアなどの100円ショップで売っている「ネイル用バッファー(爪磨き)」が驚くほど優秀な代替品になります。
おすすめは「ステップ式」のバッファー
特に「3ステップ」や「ブロック型」になっていて、面に番号が振ってあるタイプが便利です。これらは、爪の凸凹を整える「粗削り」から、最後にピカピカにする「艶出し」までの機能が一本にまとまっています。
使い方のコツ:
人間の爪(ケラチン)と硬化レジンの硬度は比較的似ています。そのため、爪をピカピカにする「艶出し面(大体白い面です)」に含まれる微細な研磨剤やワックス成分は、レジンに対しても同様の光沢効果を発揮します。
ただし、あくまでネイル用であり、ベースが紙やスポンジでできています。耐久性は低く、広い面や硬いレジンをガシガシ磨くとすぐに摩耗して効果がなくなります。「1作品につき1本使い切る」くらいの消耗品として割り切って使うのが良いでしょう。
タミヤのコンパウンドで鏡面仕上げ
「もっと本格的に、ガラスのような透明感を出したい」というなら、模型用ツールの王様、タミヤ製品を使うのが間違いありません。プラモデル用として開発された「タミヤ コンパウンド」は、レジンクラフトでも最強の味方です。
(出典:タミヤ公式サイト『タミヤ メイクアップ材シリーズ タミヤ コンパウンド(粗目)』)
コンパウンド3種の使い分け
基本は以下の3種類を順番に使います。
- 粗目(あらめ): 赤いキャップが目印。名前に「粗」とついていますが、実はサンドペーパーの#2000よりもはるかに細かいです。まずはこれでペーパーがけの傷を消していきます。
- 細目(さいめ): 青いキャップ。さらに表面を滑らかにし、艶を出します。これだけでもかなり綺麗になります。
- 仕上げ目: 白いキャップ。最終仕上げ用です。これで磨くと、濡れたような深みのある鏡面になります。
絶対に守るべきルール:クロスの分別
ここで一番大切な注意点があります。「使うコンパウンドの番手ごとに、磨くクロス(布)やスポンジを必ず変えること」です。
もし「粗目」を使ったクロスで、そのまま「仕上げ目」をつけて磨いてしまったらどうなるでしょうか?クロスに残っている「粗目」の大きな粒子が、せっかく仕上げようとしている表面に再び傷をつけてしまいます。これではいつまで経っても鏡面にはなりません。必ず「粗目用」「細目用」「仕上げ目用」とクロスを分けて管理してください。
コンパウンドに関しては>>レジンコンパウンドのおすすめは?100均や代用品と鏡面仕上げのコツの記事がおすすめです!
歯磨き粉で磨くのがダメな理由
ネットやSNSでたまに見かける「歯磨き粉で磨ける」という裏技。家にあるもので代用できるなら嬉しいですが、レジン制作において私はおすすめしません。
プラスチックには強すぎる研磨剤
歯磨き粉に含まれている研磨剤(清掃剤)は、人体の中で最も硬いエナメル質の汚れを落とすために設計されています。そのため、プラスチックであるレジンに対しては粒子が不均一だったり、硬すぎて逆に深い傷をつけてしまったりすることがあります。
その他のデメリット:
発泡剤やミント成分が含まれており、これらが磨いている最中に泡立ってしまい、表面の状態を確認しづらくなります。また、湿潤剤などがレジン表面に残ると曇りの原因にもなります。
専用のコンパウンドは数百円で購入でき、仕上がりの美しさと作業効率は段違いです。大切な作品には、専用の道具を使ってあげるのが一番の近道です。
コーティング剤で透明度を復活
「やすりがけの工程が長すぎて辛い」「形が複雑で、やすりが入らない」という場合は、物理的に磨くのを諦めて「コーティング」で透明にするのが賢い選択です。いわゆる「濡れ色」効果を利用したテクニックです。
埋めてしまえば傷は消える
原理は非常にシンプルです。曇っている表面の微細な凹凸を、新しいレジン液やコーティング剤で埋めて平らにしてしまえばいいのです。液体のレジンは、硬化したレジンとほぼ同じ光の屈折率を持っているため、傷の凹凸が液体で満たされると光の乱反射が消え、傷が見えなくなります。
手順は以下の通りです:
- 曇った表面の汚れや油分、削りカスをアルコールなどでしっかり拭き取る。
- 筆や刷毛で、粘度の低いレジン液(または専用コーティング剤)を薄く塗る。
- 気泡が入らないように注意し、UV/LEDライトでしっかり硬化させる。
これだけで、驚くほど簡単に透明感が復活します。#3000まで磨いてコンパウンドをかける手間を一瞬でスキップできる魔法のような方法です。特に、入り組んだデザインや、表面積の大きい作品にはこの方法がベストマッチします。
レジンがやすりで曇る問題の総括
レジンがやすりで曇ってしまうのは、ある意味「順調に進んでいる証拠」でもあります。最後に、透明な輝きを取り戻すためのポイントをまとめます。
- 曇りは「傷」: 失敗ではなく、物理現象です。段階的に細かく磨けば必ず消えます。
- 水研ぎは必須: 摩擦熱による変性と目詰まりを防ぐため、必ず水を使いましょう。
- 道具選びが鍵: 本気で輝かせるならタミヤのコンパウンド、手軽さなら100均バッファー、と使い分けましょう。
- コーティングという選択肢: 磨くのが大変なら、上から塗って埋めるのも賢いプロの技です。
最初は曇った表面を見て絶望するかもしれませんが、手をかければかけるほど、レジンは美しい輝きで応えてくれます。自分に合った方法で、世界に一つだけのクリアな作品作りを楽しんでくださいね!


コメント